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香港にバー「LOCKDOWN」 カクテル文化を再定義

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 禁酒法時代からインスピレーションを受けたというバー「LOCKDOWN」(G/F 27 Hollywood Road, Central, Hong Kong TEL: 6201 5855)が1月31日、オープンした。

甘くクリーミーでピスタチオクリームを使ったカクテル

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 香港の有名なバーテンダーであるアグング・プラボウォ(AGUNG PRABOWO)さんとローラ・プラボウォ(LAURA PRABOWO)さん夫婦が手がけたもので、香港で3年以上続いたコロナ禍の香港の状況が1920年~1933年のアメリカの禁酒法時代に似ていることから名付けた。「孤立と閉鎖の時代が、店のインスピレーションを呼び起こした」という。

 アグングさんとローラさん夫婦は、ホスピタリティー業界で約50年にわたり経験を積んできた。香港の「The Old Man」「Penicillin」「Dead& fame」などのバーで、その地位を確立。数々の受賞歴を誇る2人の店は小規模な独立系カクテル・バーの常識を覆してきた。「Penicillin」は「アジアのベスト・バー50 2023」で26位にランクインししている。

 同店は、禁酒法時代の魅力と現代的なアジアンテイストを融合させ、最大30人まで収容できる空間を用意。手吹きガラスのディスプレー、アイアンメッシュのパーティション、特注の照明などデザインにこだわり、1920年代の要素を反映している。回転式バー・ステーションを備えることで、「禁酒法時代の雰囲気を現代風にアレンジし、ゲストの没入感を高めた」という。

 カクテルメニューは、個性的ながらも一般的なカクテル「RE-MASTERED FORGOTTEN CLASSICS」と20世紀のビンテージスピリッツを使った「VINTAGE & ANTIQUE COCKTAILS」の2つのカテゴリに分け、それぞれにストーリーを持たせた。17種類(120香港ドル~)を提供する。同店では、カクテルの伝統にミクソロジーシーンの最新技術やトレンドを融合させるが、実験室さながらの道具を使い、工夫を凝らしたクラシックカクテルを作り直す。液体の乳化・均質・分散を行う均質機「ホモジナイザー」、液体窒素を生成する装置、蒸留装置「ロータリー・エバポレーター」、冷凍粉砕調理器「パコジェット」なども備えた。

 カクテル「ジン・リッキー(GIN RICKEY)」は、パセリ入りジン、ピーチ酒、ピーチリキュール、透明なバナナ、みそ、スパークリングワインを合わせる。ジョー・リッキー大佐にちなんで名付けられたもので、かんきつ系のフレッシュな香りと植物的な香りが特徴。 「グラスホッパー(GRASSHOPPER)」は甘くクリーミーで、カカオやミントのリキュール、薬草系リキュール「アブサン」、ユーカリの製剤、塩漬けピスタチオクリームなどから作る。20世紀初頭に生まれたカクテルで、1950年代から60年代にかけて人気を博した。

 ビンテージカテゴリーでは、20世紀のビンテージ&アンティーク・スピリッツをフィーチャーし、丹念に保存されたボトルからスピリッツを使用。当時の特別なジンを使ったマティーニ「1950’s Martini Cocktail」や、70年代のコニャック、ハーブやスパイス、香草、樹皮、精油などのさまざまな原材料を酒に漬け込んで造られたリキュール「ビターズ」などを使う「The 1970’s Sazerac」(450香港ドル)など、現在は5種類のカクテルを提供する。

 スナックメニューは香港ローカルのものを使ったメニューを随時考案していく予定だが、隣のバー「Penicillin」からも注文できる。唐揚げ「Koji Fried Chicken」(148香港ドル)、串焼き「Skewers, piri piri style with peppers」(138香港ドル)、タコス「pulled pork tacos」(128香港ドル)などを用意した。

 営業時間は18時~深夜。日曜定休。

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