焼き鳥や日本酒をメインにした居酒屋「灘五郷」(G/F, 18 Ship Street, Wanchai)が6月6日、香港・灣仔駅近くの飲食店が集まる船街にオープンした。
「灘五郷(なだごごう)」とは、兵庫県の灘一帯にある5つの酒造地の総称。日本酒のラインアップにこだわった同店は、店名も日本を代表する酒どころの一つに「インスパイアされた」という。
店内のデザインは、木の梁(はり)や石などの天然素材、わら縄のような伝統的な装飾、たくさんのちょうちんなどを用いて、「古き良き時代」の日本を思わせるような作りに仕上げた。店舗面積は約1000平方フィート。店内はアースブラウンやグレーなどの落ち着いた色味でまとめ、焼き鳥や炉端焼きなどの調理場をステージのように引き立てるカウンター席や、最大12人まで利用できる半個室、屋外にせり出した席など、さまざまな利用シーンを想定し、店内外合わせて65席以上を設けた。
料理は、焼き鳥・炉端焼き・和食の3つを軸に構成。焼き鳥店やラーメン店など、日本と香港合わせて30年以上のキャリアを持つ高橋恒規さんと、炉端焼きの有名店「田舎家」の六本木本店や香港支店でも腕を振るってきた下地町敦さんがメインシェフを務める。
焼き鳥は、岡山県産「森林どり」、徳島県産「阿波尾鶏(あわおどり)」、鹿児島県産「黒さつま鶏」の3種類の国産鶏をメインで使う。「ねぎま」(42香港ドル)、「レバー」(38香港ドル)などの定番メニューを提供するほか、朝〆の香港ローカルの鶏肉を使い「とさか」(42香港ドル)、「手羽中」(32香港ドル)などの希少部位も数量限定で用意する。
コンセプトの一つである「博多スタイルの焼き鳥」は、鶏肉だけでなく、豚肉、牛肉、野菜など、種類が豊富なことが特徴で、中でも豚バラ肉で野菜を巻いた野菜巻き串は、博多風焼き鳥の代表的なメニュー。同店舗も、北海道産ブランド豚「ゆめの大地」で、レタスやニラ、アスパラなどの国産の新鮮な季節野菜を巻き串に刺して焼く「博多豚肉巻」(44香港ドル~)を看板商品とした。
焼き鳥と並ぶメイン料理の炉端焼きは、北海道産ホタテ、日本産地鶏や和牛など、海鮮や肉を中心とした食材に、イタリアのトリュフペースト、メキシカンチリパウダー、日本のユズこしょうなど、「和食の枠にとらわれず、さまざまな調味料を合わせてアレンジする」という。
3つ目の軸となる和食は、梅水晶・生タコのわさび添え・ホタルイカの沖漬けからなる「珍味3種盛り」(88香港ドル)のような、日本酒と合わせるおつまみメニューを用意した。ごま油とすりごまを添える「鮪赤身串」(108香港ドル)や、ピクルスと共に串に刺しトリュフソースを合わせる「サーモン串」(78香港ドル)など刺し身を串に刺して提供する「刺し身串」は、同店ならではの創作料理。
日本酒は日本各地から選んだが、特に「酵母」にこだわった銘柄をセレクトしたという。現存する最古の酵母と言われる「6号酵母」を使っていることで知られる「新政」の最上級モデル「No.6 X-Type AD-HOC」(2,800香港ドル、720ミリリットル)や、さまざまな種類の酵母を使い冬季のみ数量限定で醸造する「小布施ワイナリー」の日本酒など。ビールやサワー、ハイボールなど、日本酒以外のアルコールメニューも用意する。
平日のランチメニューでは、地域のワーカーも利用しやすいような「鶏もも肉のグリル定食」(178香港ドル)、「日替わり串焼き定食(5種)」(158香港ドル)などの前菜、漬物、茶わん蒸し、みそ汁、ご飯をセットにし定食メニューを中心に提供する。
営業時間は、ランチ=12時~14時30分、ディナー=18時~24時。