香港大学駅前を走る皇后大道西(Queen’s Road West)から一本北側に進んだ路地裏に9月23日、つけ麺専門店「彩aya」(G/F., Kam Ling Court No.16 Whitty Street, Hong Kong)がオープンした。この周辺は元々交通が不便なエリアだったが、3年前ににMTR香港大学駅ができたのを機に開発が進んでいるエリアの一つ。今回のオープンは、元朗店(G/F., Yick Lee Mansion, 26 Kin Tak Street, Yuen Long)に続き2店舗目となる。
3年前にオープンした元朗店は、週4で通う常連客もいるほど地元民から支持を得ていることで知られ、週末の午後ともなると50人もの行列が店の外にできることも当たり前だ。カウンター席のみで展開する元朗店に比べ、新店はカウンター席6席以外にテーブル席を含む計24席、約600スクエアフィートと広めの造りになっている。内装は、製粉用紙袋を壁一面に敷き詰め、カウンター上の棚にはストウブ鍋を並べるなど、装飾にも工夫を凝らしたデザインに仕上げた。
メニューで提供する麺は全て、防腐剤などは一切加えていない自家製麺を使う。入り口の左側には製麺機を設置し、ガラス張りの窓から製麺の様子を眺めることができる。一般的に、ラーメンやつけ麺に提供する麺は強力粉や薄力粉を使うことが多いが、同店では全粒粉を多く使うのが特徴。そのため、そばに近い風味の麺に仕上がる。つけ麺のスープは、「プレーン」(78香港ドル)、「黒蒜油」(83香港ドル)、「えびみそ」(88香港ドル)の3種類から選ぶことができ、ベースの豚骨スープは天然利尻根昆布を加え、だしを取ったものを使う。一番人気は「えびみそ味」だという。麺の種類も「ノーマル」「黒こしょう味」「本日のスペシャル」から選ぶことができ、レモン、バジル、ライム、赤唐辛子、ユズ、ほうれん草、ニンジンなど約30種類の味を日替わりで用意する。レモン、ライムが人気だという。
「この場所は元々印刷会社だったが、2年越しでようやくオープンすることができた。香港大学駅からも近く、グランドフロアで立地のいいこの場所にどうしてもオープンしたかった」と店主の砂田さん。「機会があれば海外進出もしてみたい。スタッフが希望を持って働ける環境をつくりたい」とも。砂田さんは東京のラーメン店で15年ほど働いた経験を持つ。
「せっかく来ていただいたのだから、他にないものを楽しんでほしい」という思いから、食事メニュー以外にドリンクメニューの種類にもこだわった。「富士山頂コーラ」「さくらコーラ」など、珍しいドリンクも多数並べる。今後は様子を見ながらアラカルトメニューも追加していく予定だという。
営業時間は、ランチ=11時30分~15時、ディナー=18時~21時。