逃亡犯条例の改訂に伴うデモの長期化で香港の観光客が激減していることから、香港内にある各ホテルは客室、レストラン、スパなどの稼働率を高めようと、さまざまなプロモーションを行っている。
香港政府観光局によると2019年8月の来港者は前年同月比39.1%減の359万571人、同年1月~8月は前年同期比4%増の4365万9396人だった。通期では前年を上回っているがそれはデモ前の1月~6月までの貯金が効いており、今後発表される9月、10月の数字は前年を下回ることが確実視されている。邱騰華商務及経済発展局長が「10月15日までの半月の観光客数は半減している」と語るなど観光業界にとっては終わりの見えない厳しい経営環境に置かれている。
そこで香港内にある各ホテルは香港を訪れる観光客のみならず、香港市民も視野にホテル内の施設の稼働率を上げるため、さまざまなプロモーションを企画している。
香港を代表するホテル、尖沙咀(Tsim Sha Tsui)にある「ザ・ペニンシュラ」では、誕生日を含めた前後1日の1泊2日のプランでデラックスルームを1,928香港ドルで提供。「1928」の数字はペニンシュラが創業した年にちなんだもの。2019年12月11日までのプロモーションで、誕生日のアメニティーが付き、チェックアウトが16時に設定されている。
中環(Central)のフォーシーズンズ・ホテルでは、週末に「Weekend Retreat」と題したプロモーションを2020年1月5日まで実施。金曜・土曜・日曜に宿泊するとホテルの宿泊料が15%引き、レストランの「The Lounge」で朝食(2人分)が付く。チェックアウトは16時で、Nail Barで爪のトリートメントをする場合は20%引きとなる。オプションもあり、海が見える部屋を希望する場合は200香港ドルの追加でアップグレードになるほか、3つ星のフレンチレストラン「Caprice」を利用するパッケージ(3,640ドル)も販売している
「インターコンチネンタル香港」では香港ID所有者限定のプロモーション「Local Wanderlust」を2019年12月29日まで実施する。12時にチェックインし、チェックアウトは翌日の18時。つまり30時間ホテルの滞在することができる。宿泊料金は2,455ドルから。ホテル内のバー、レストラン、スパなどで使用できる1,000ドル分のクレジットが付くほか、ハーバーサイド・レストランでの朝食付(2人分)。スパ「I-Spa」を利用する場合は35%引きであるほか、レストラン、バーは15%引き。プールやフィットネスセンターも利用できる。
日本人観光客も多く宿泊する西環(Sai Wan)にある「アイランド・パシフィック・ホテル」では「STAY AND DINE PACKAGE」と名付けたプロモーションを実施。「デラックスハーバービュールーム」を1泊800香港ドルで提供し、400香港ドル分のダイニングでのクレジットが付く。「プレミアスイート」の滞在であれば1泊1,600香港ドルで、ダイニングのクレジットは600香港ドルで12月30日まで対応する。
ほかにも多数のホテルでプロモーションが行われており、どのホテルでも自社ホームページなどで告知している。