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香港政府、旧正月期間の状況踏まえ防疫対策緩和へ 「安心出行」は利用厳格化

旧正月休み期間中が規制緩和に向けてひとつの区切りとなる香港

旧正月休み期間中が規制緩和に向けてひとつの区切りとなる香港

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 香港政府は2月10日、旧正月明けの新型コロナウイルス対策についての方策について発表した。旧正月中に大きな変化がなければ2月18日から店内飲食禁止開始時刻を18時から22時に緩和するなどと発表した。一方、香港政府が開発した新型コロナウイルスの感染者と接触した可能性を通知するスマートフォン向けのアプリ「安心出行(LeaveHomeSafe)」について、顧客はレストランに入る際のQRコードのスキャンを義務化するなど運用の厳格化を図る。

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 香港は11日現在、累計感染者数が10,732人、死亡者は191人、回復者10,077人、新規感染者は21人となっている。新規感染者数は1月1日~24日は1日平均75人だったが、過去7日間は26人にまで減少しているとした。一部のマンションなどを封鎖して住民に強制的にPCR検査を受けさせる政策はこれまでに26回発令。200棟のマンションが対象となり2万5000人が強制PCR検査を受けた。その結果20人が新規陽性者で陽性率は0.08%だった。濃厚接触者は60人に及んだ。

 新規感染者が緩和傾向を示していることから、旧正月が始まる2月12日から大きな変化がないこと、マスク着用、検温、公共の場での集まりなどの実施しされている政策について市民が継続して守っているのであれば、2月18日より規制の一部を緩和するとした。

 レストランでの飲食禁止開始時刻は18時から22時に緩和し、1卓当たりの人数は2人から最大4人に緩和する。18日から再開可能なのは、スポーツ施設、フィットネスジム、美容院・マッサージ、公共娯楽施設(コンサートホールなどの会場、テーマパーク、博物館、映画館など)、アミューズメント施設(ビリヤード場、ボウリング場、アイススケートリンク)、ゲームセンター。現時点で、バー・パブ、ナイトクラブ、カラオケなどの再開のめどについては述べられていない。

 これらの施設の再開に当たり、営業開始日の7日前から7日後までに出社する従業員全員が1回目の検査を受けなければならない。最速で18日から営業再開できることから2月11日~25日の間に検査を受ける必要がある。そして14日ごとに検査を受けなければならない。営業再開から最初の3カ月は無料で検査をすることができる。その後は、有料となるのか無料が継続されるのかは明らかになっていない。

 加えて、レストランは現在「安心出行」のQRコードを掲示しなければならない義務があるが、今後は入店する客に対してQRコードをスキャンしてもらう必要がある。アプリをインストールしていない場合やスマホを持っていなければ、名前などの個人資料の記入を求める必要がある。これらが守られなければ店は3~14日間の営業停止となるほか、最高で5万香港ドルの罰金、6カ月の禁固刑となる。

 政府系機関による新型コロナウイルス対策アプリは、香港以外にも日本、シンガポールなども開発しているが、個人情報や行動情報が関係機関などに知られることからインストールをためらう市民が多く、香港でも52万人しかインストールしていない。共働きが多く、台所が狭いことから外食することが一つの文化とも言え、それが外食産業の発達につながっている香港。レストランに入るにはインストールしなければならないことから、市民にとって難しい判断になる可能性もある。

 3月1日からは政府系庁舎に入る場合も安心出行のQRコードのスキャンまたは個人情報の登録が求められる。公務員はこれまで多くがリモートワークをしており、段階的に元の業務に戻してきたが、2月18日より完全に再開することになった。

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