香港でミラノコーヒーを展開する「Coffeelin」(G/F, 228 Electric Road, Fortress Hill)が1月8日、炮台山の歴史建築を利用したアートスペース「油街實現」の通りを挟んだ電気道にオープンした。
同店は終日営業するコーヒーラウンジで、 ミラノの「コーヒーハウス文化」を香港でも実現しようと香港生まれの創業者ルーカス・サム(Lucas Sam)さんが立ち上げ、同店が香港4店舗目となった。友人や家族に会うためにミラノを何度も訪れるうちに、イタリアのスタイルとデザインにほれ込んだという。イタリアンコーヒー文化を香港に持ち込むことを決意し、2018年、最初の店を西營盤(Sai Ying Pun)に開いた。
同店が旗艦店となり、仕事前のエスプレッソから、ゆったりとしたランチやディナー、ハッピーアワーのドリンクまで、同地域の住民やビジネスマンに加え、観光客もターゲットに含めメニューを考案。建築家でインテリア・デザイナーでもある「JJ Acuna」の設計による店内は、緑や茶色を多く使い、高層ビルが立ち並ぶ街の中で、ビンテージとメンフィススタイルを組み合わせている。床から天井まである窓からは自然光が差し込み、質感のある壁や手描きの天井画が温かみを添える。大理石やトラバーチンの床タイル、ハードウッドの家具は、イタリアの活力源である「トラットリア」を思わせる内装に仕上げた。
ミラノ同様、エスプレッソがスペシャリテだが、同店のバリスタはカプチーノ、ラテ、マキアートも提供する。全てのコーヒーは、ミラノ郊外にある「Torrefazione Il Griso(グリソ)」のシグネチャーブレンド「La Storica 1991」を使用。この豆は「ダークチョコレート、キャラメル、ドライフルーツの香りや軽い果実の酸味がする」と言われ、ミディアムボディーで、アラビカ種100%。「デザートとの相性も抜群」だという。
オープンバーでは、スツールに腰掛けたり、木製のカウンターに立ってドリンクを楽しんだり、オープンキッチンを囲みシェフの手さばきを眺めたりすることもできる。フロアには40席を配置し、緑に囲まれた20席の屋外のテラスでは、ストライプのパラソルの木陰でくつろげるようにした。エスプレッソやマキアートなどのコーヒーは、ホット=33香港ドル、コールド=38香港ドル。
フードメニューは、ローマ郊外出身のシェフ、ウンベルト・ダビーノ(Umberto D’Avino)シェフが祖母から教わった料理を、香港の市場で見つけた食材をベースにアレンジして提供する。
朝食には、生ハムとフォンティーナチーズトースト「Prosciutto crudo and fontina cheese toast」や、モルタデッラとトリュフストラッチャテッラを詰めたクラシックなロゼッタロール「Rosetta with Mortadella nad truffle stracciatella」(以上78香港ドル)などを用意。終日提供するメニューは、ローストしたタコ、バターと地中海産アンチョビの自家製タリオリーニパスタなどを用意する。リコッタを詰めたズッキーニの花やモッツァレラのコロッケなど、酒に合うおつまみも用意する。
「どんなコーヒーでもいいというわけではなく、イタリアのコーヒーバーで飲めるような本格的なイタリアンコーヒーとエスプレッソを提供している。朝はコーヒーを飲みに、午後はちょっとした軽食とスタッフとのおしゃべりを楽しみに、そして夜はワインを飲みに来てほしい」とルーカスさんは呼びかける。
現在は香港4店舗のほか、広州にも2店舗を開き、今年下半期に中環駅前のLHTタワーに5店舗目をオープンする準備を進めている。
営業時間は8時~22時。