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香港・西九龍の新ランドマークとなるミュージアム「M+」竣工 年末に一般公開へ

西九龍文化地区アートパークからのM+の建物©Virgile Simon Bertrand
Courtesy of Herzog & de Meuron

西九龍文化地区アートパークからのM+の建物©Virgile Simon Bertrand Courtesy of Herzog & de Meuron

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 香港政府観光局は3月12日、香港の西九龍文化区、ビクトリア・ハーバーのウオーターフロントに位置する「M+」が竣工したと発表した。20世紀から21世紀にかけてのビジュアル・アート、デザイン、建築、映像、香港のビジュアル・カルチャーの収集・展示を目的としたアジア初の現代ビジュアル・カルチャー美術館となる。世界的に有名な建築家ユニット「Herzog & de Meuron(ヘルツォーク&ド・ムーロン)」のグローバルチームが、TFP Farrells(TFPファレルズ)」と「Arup(アラップ)」の協力を得て設計したこの建物は、世界有数の文化施設としての地位を確立することを目指す。

建物内部の様子 ©Kevin Mak Courtesy of Herzog & de Meuron

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 同ミュージアムが竣工した西九龍文化地区は、世界でも最大級の文化プロジェクトで、ビクトリア・ハーバーに隣接する40ヘクタールの埋立地に「香港に活気に満ちた新しい文化の街をつくる」ことを目的としている。シアター、パフォーマンススペース、ミュージアムなど、さまざまな施設を集積し、グロバールクラスの展覧会、パフォーマンス、文化イベントを創出、開催していく。西九龍文化区では、世界的な展覧会、パフォーマンス、文化イベントが開催を呼び込み、2キロのウオーターフロントプロムナードを含む23ヘクタールの公共空間から成る。

 今回竣工した6万5000平方メートルの建物「M+」には、1万7000平方メートルの空間に、33の展示室のほか、3つの劇場、マルチメディア情報資料館、ラーニングハブ、リサーチセンター、ミュージアムショップ、レストラン、ティー&コーヒーバー、メンバーズラウンジ、オフィススペース、ビクトリア・ハーバーの壮大な景色を見渡せるルーフガーデンを備えた。ほとんどのギャラリーは、2階の大きなポディアムレベルに配置されることになる。建物内のベンチ、レセプションデスク、チケットカウンターなどは、香港らしく竹を使ったデザインを採り入れている。

 香港にはガラス張りの建物は多くあるが、「M+」はファサードにセラミックを使っているのが特徴。ダークグリーンのセラミックは、光や天候の状態をさまざまな色合いで反映する。水平方向、垂直方向共にボリューム感ある造りで、建物の下には、MTRエアポートエクスプレスと東涌線が走り、巨大なポディウムと垂直に広がる板のようなタワーで構成している。建物の南側には、巨大なLEDのデイスプレースクリーンを設置し、このスクリーンはM+のプログラムを視覚的に強調するだけでなく、ビクトリア・ハーバーと香港島に面した都市景観と美術館のつながりも強調するものに仕上げ、香港夜景の一部となる。

 同館の総作品数は7978点で、そのうちの約20%が香港のアーティストによる作品。コレクションアーカイブズは約4万6750点に上る予定で、約28%が香港のアーティストによる作品だという。

 2021年末の一般公開を目指す。

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