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香港政府、マカオに対する「回港易」と「来港易」を一時的に運用停止

42日連続で市中感染がない香港

42日連続で市中感染がない香港

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 香港政府は8月25日、マカオに対する「回港易(Return2hk)」と「来港易(Come2hk)」について暫定的に中止すると発表した。マカオでの新型コロナウイルスの状況を受けての措置となる。

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 香港は28日現在、累計感染者数が1万2,210人、死亡者は213人、回復者1万2,197人。新規感染者は輸入症例の13人だ。一方、ワクチン接種者については、1回目が447万2,848人(66.4%)、2回目も終えた人は414万9,885人(61.6%)となっている。9月28日現在、42日連続で市中感染ゼロが続いている。香港居民が本土・マカオからの香港に戻ったときに強制隔離が免除される「回港易」と中国本土とマカオに滞在する非香港居民が隔離なしで香港に来ることができる「来港易」がある。「ゼロコロナ」を掲げる香港政府にとってこの2つは唯一といっていい水際対策の緩和措置だ。

 マカオでは9月24日、トルコからマカオに戻ったマカオ居民が陽性だったことを明らかにした。感染者は9月18日にシンガポール経由でマカオに到着し、入境時のPCR検査は陰性だった。隔離ホテルに移り23日にPCR検査を受けたところ陽性が判明した。ワクチンは接種済みだった。

 そこでマカオ政府は陽性者が滞在していたホテルスタッフにPCR検査を実施したところスタッフ2人が感染していることが明らかになった。そのため、マカオ政府は25日零時から非常事態に入ることを宣言し、2人の感染者が住んでいるエリアをミニロックダウンするなどいくつかの防疫対策を実施した。さらに9月25日15時から72時間にわたってマカオ市民全員にPCR検査を実施するとした。全員検査は8月4日9時から72時間以内に行われて以来2度目となる。

 ここまで徹底する理由として、狭い土地に人口68万人と人口密度が高いことから感染拡大がしやすいこと。医療体制は人口1000人あたり2.6と2.49である日本と大差はないが、看護士は3.8人(日本は11.76)と治療の最前線に当たる看護士が少ないことことから、感染拡大の芽をできるだけ早く摘もうという考えだ。

 例えば、香港市民がマカオに行く場合、マカオ側で14日間の隔離が必要だが、回港易を使って香港に戻ってくる場合、2週間の隔離は免除され、以前より往復しやすくなっていた。一時停止により、マカオとの往来が再びしにくくなったが、マカオ政府は感染抑え込みを優先する。香港政府としても感染状況が落ち着いたと判断した場合、暫定停止をできるだけ早く解除すると見られる。

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