韓国・濟州島発の人気ベーカリー「ABEBE Bakery」(Shop W, G/F, 37 Mody Road, Tsim Sha Tsui, Kowloon TEL 5281 6764)が9月13日、尖沙咀麼地道に香港初の店舗を開業した。アジア市場拡大の一環として進出したもので、クリームドーナツとクリームブレッドを看板商品に掲げる。
ABEBEは2019年、濟州東門市場の小さな屋台から始まった。ねじり揚げドーナツをベースに、濟州の地名や特産品を取り入れた独創的なクリームドーナツを展開し、口コミで人気を集めた。2022年には三層構造の旗艦店を開設、2023年にはソウル広蔵市場へ進出し「ソウル三大ドーナツ店」として知られるようになった。さらに東京・新大久保にも店舗を構える。
ブランドの哲学は「敘事●焙美学(物語性を込めたベーカリー)」。単なる菓子ではなく、土地の物語を込めた「味覚で巡る濟州島の旅」を提供するという。
香港のドーナツ文化は、戦後のアメリカ文化流入とともに広がった。1970年代には大手チェーンが進出し、シュガーコーティングやリング型の定番が親しまれた。近年は「生ドーナツ」や「クリーム入り」など食感や見た目にこだわるブランドが増え、SNS映えを意識した商品が人気を集めている。尖沙咀や旺角では日本から進出したミスタードーナツやタイ発のDROP BY DOUGHなどが相次いで出店し、若年層を中心にドーナツを気軽に楽しみ、「ドーナツ巡り」も一種のトレンドになっている。
香港店では、二大シリーズ「招牌クリームドーナツ」と「匠心手工クリームブレッド」を提供する。濃厚なチョコレートクリームを詰め込んだ 「Abebe Dirty Chocolate Cream Donut」(38香港ドル)、香ばしい黒ごまクリームを柔らかなカステラクラムで包んだ「Gasiri Black Sesame Cream Donut」のほか、濟州産抹茶を使ったほろ苦い 「Jeju Matcha Cream Donut」(以上36香港ドル)などのドーナツをそろえる。
クリームブレッドは、もち米ケーキを生地に忍ばせ、弾力ある食感と軽やかなクリームを組み合わせる。リンゴ果肉とクリーム、糯米●を層に重ねた「Geumneung Apple Cream Bread」(42香港ドル)や牛乳の濃厚な香りを生かした「Yeongsil Ranch Pure Milk Cream Bread」(40香港ドル)、濟州特産のかんきつ「漢拏峰柑」を用いた爽やかな「Wimi Hallabong Cream Bread」(40香港ドル)などがある。
香港店の内装は「現代工業風文青美学」が手がけた。コンクリート調の壁面に金属質感のカウンターとガラスケースを配置し、シンプルながら写真映えする空間を演出する。ブランドロゴの韓国語タイポグラフィも大胆にあしらい、尖沙咀の新たなインスタ映えスポットを狙う。
営業時間は11時〜21時30分(売り切れ次第閉店)。
●=火へんに共、●=米へんに羔