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香港・旺角に「SHIBUYA109 STORE」 「香港の渋谷」に新ブランド投入し、売り上げ好調

香港の旺角に登場した「SHIBUYA109 STORE」

香港の旺角に登場した「SHIBUYA109 STORE」

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 東急商業發展(香港)社は10月14日、香港の「SHIBUYA109」の常設店としては2店舗目となる「SHIBUYA109 STORE」を旺角駅から直結のT.O.P.モールMTRフロアに開業した。B4出口とモールをつなぐ要のスペースだが、ここにはもともと香港ではSHIBUYA109 が運営協力する「WEGO」と韓国のセレクトショップ「エーランド」が展開してきた。しかし「エーランド」撤退後、スペースが空いてしまった状態だったという。人の流れを取り戻すためにも同社で4月以降ポップアップストアを展開したところ、良い結果を得られていたため、今回の出店の運びとなった。店舗面積は1032スクエアフィート。「WEGO」「LEGiT」など、109 STORE部分以外も同社が運営に関わるブランドでの展開となり、フロア全体に「今の日本」を投入したという。デベロッパーは香港政府系団地のモールや駐車場管理などを手掛ける「領展」。

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 「SHIBUYA109 STORE」は広い区画を一手に借り上げ、多くのテナントの集合体を自主編集する「SHIBUYA109」と比較すると、小さい箱に「109の魅力」を詰め込み、その価値を提供しようとするもの。香港ではもともと尖沙咀のハーバーシティに「SHIBUYA109」として2015年に進出したが、今回はさらにそれを絞り、スピンアウトさせたものになる。中国本土からの観光客が減った今、ハーバーシティ店は決して大きな売り上げを継続できている訳ではない一方、旺角はもともと「香港の渋谷」と例えられることもあるほど、香港の地元の若者であふれている地域でもある。

 売り場には、韓国の人気ブランド「CHUU」を中心に、全部で5ブランドを投入。「Axe femme」「ROJITA」「MIIA」をフロア中央エリアに置くなど、これまでの尖沙咀店にはないブランドも投入した。

 売り場には「@COSME」のコーナーも設け、香港ではネットでしか購入できない人気ブランドの一つ「b.glen(ビーグレン)」の商品を販売する。アパレルばかりに偏りすぎず、商品のバランスを出すことが香港市場で求められることもあることから、「日本らしさを出しつつ、バラエティー感を広げたい」というSHIBUYA109の思いをかたちにしたもの。もともとアンチエイジング向けのブランドであるため、@COSME側は「若者層にも気軽にトライアルキットなどを販売できる機会を作ることで、将来のターゲットに向けてアプローチできる場」に位置付ける。

 今回の出店に当たって、香港のローカル社員が希望するブランドを日本と掛け合い、「Axe femme」「ROJITA」などを出店させた。色は桃色系統で、リボンやフリル、花柄など、一見ターゲットが限られているように見えるガーリー系アイテムは平日最初の金曜にほぼ完売。日本側のメーカーもすぐに対応し翌週月曜は店頭に商品が再び並んだが、「予想以上の動きを見せ驚いた」と同社の担当社員は話す。500~600香港ドルのトップスやワンピースを1人1~2着購入するケースが多く、実際にフィッティングを希望する客も多いという。

 「いつもはオフィスで働いているが、自分が好きなブランドを持ってくることができたので、様子も気になり最近は店頭に出ることも多い」と話す同社社員のElieさん。「この新ブランドが来てから、実際に購入したいアイテムの画像を店頭で見せられて、注文できるか聞かれることが多い」と話す。多くの日系アパレル企業は「ポップアップ展開のようにすることで、その後、越境ECで購入してもらいたい」という狙いがあるが、実際は購入する際は実際に自分の目で最終的に確かめて購入したい香港人も多いようだ。

 営業時間は12時~21時。

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