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香港に「鮨處八千代」進出 日本と同じ価格目指す

尖沙咀に初の海外店舗をオープンした「鮨處八千代」

尖沙咀に初の海外店舗をオープンした「鮨處八千代」

 東京で1926年に創業した老舗すし店「鮨處(すしどころ)八千代」が10月6日、尖沙咀のMira Place(Shop 203, 2/F, Mira Place One, 118-132 Nathan Road, Tsim Sha Tsui)に初の海外店舗をオープンした。日本の伝統的な江戸前寿司を香港で日常的に提供する。

Mira Placeで行われた開幕式の様子

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 開幕式には、在香港日本国総領事三浦潤大使、八千代中瀬和樹社長、EGL東瀛遊●國全会長、今回のプロジェクトを主導した YAICHI 集団の羅盛昌(Elmas Lou)会長らが出席した。3conins、LOFTなど日本の小売りブランドを香港で展開するYAICHI が、初めて飲食領域へ本格参入することになる。

 今回の海外進出の背景について、中瀬社長は「今、日本は強い閉塞(へいそく)感があり、国内だけでなく海外に出る必要があると感じていた。そんな時に声がけがあり、香港はいつ来てもエネルギッシュで、ここならビジネスができると思った」と話す。

 出店のきっかけは2025年秋ごろ、服部栄養専門学校のOBが YAICHI に在籍していた縁から話が持ち上がり、老舗すし店と日本ブランドの香港展開を進める YAICHI が結びついた。

 中瀬社長は「八千代は普通のすし屋。江戸前すしで、ミドルクラスの価格帯。日本国内店舗と香港店舗でコンセプトの違いはない」と強調する。香港市場への適応について、羅会長は「生食が苦手な香港人も一定数いるため、将来的には香港オリジナルの火入れ料理などを検討する可能性はある」と柔軟な姿勢も示しながらも、香港店のキッチンスタッフは全員香港人で、レシピ・技術・食材は東京の八千代を完全に踏襲したという。

 今回の出店を支えるのは、YAICHIが長年築いてきた日本貿易・仕入れ・物流ネットワークで、「日本と同じ鮮度」に主眼を置く。羅会長は「海産物を扱うことは当社の重要事業の一つ。八千代は、これまで裏側で積み上げてきた日本の仕入れ・物流の実力を持ち、これを香港の消費者に『体験』として見せる場になる」と話し、豊洲市場から最短で提供当日に空輸する。

 YAICHIは日本国内に自社の買い付けチームを持ち、毎日豊洲市場で海産物を選定。「午前0時前に注文確定すれば、当日18時に香港の店へ空輸が可能」とし、鮮度を保ったまま香港へ届ける体制を整えたという。

 店内は木のぬくもりを基調とした和の空間で、仕事の後の軽い一杯から家族の食事まで幅広いシーンに対応する。豊洲市場直送の海産物を使った120品以上の料理を提供するが、代表的なメニューは新鮮なマグロをたたいて丸くし、濃厚なみそ仕立てに仕上げたみそ汁「まぐろつみれのみそ汁」や、東京築地から毎日空輸する層を重ねた甘みと香りが特徴の人気卵焼き「山長の卵焼き」のほか、脂のり豊かなノドグロを塩焼きにした「のどぐろの塩焼き」などがある。

 豊洲直送のトロを山盛りにしたオープン限定の目玉メニュー「『トロ山』贅沢(ぜいたく)4種のまぐろ丼」は12日まで、昼夜各30食を28香港ドルで提供する。ほかにも、本マグロの大トロ・中トロ・赤身に加え、しょうゆ漬けマグロや旬魚を盛り合わせた「特選刺し身盛り合わせ」なども提供する。

 「日本料理の味は食材が市場に並ぶ前の段階から決まる。買い付けの目利き、温度管理、物流のスピード、その全てが一口のすしの味を左右する」と羅会長は話す。「飲食は生活に欠かせない領域であり、オンラインが主流となる中でオフライン体験を軸にしたビジネスチャンスがある」とも。多店舗展開については「現時点では考えていないが、市場の状況次第では検討する可能性もある」とした。

 同社が掲げる「與日同價」モデル、つまり日本と同じ程度の価格帯で勝負するという会社の理念を飲食業界でも展開する。年会費年費399香港ドルの「YAICHI YACHIYO TOMO」会員に加入することで、会員本人と5人までに特別料金を設定し、日本本店と同価格帯での提供を目指す。中瀬社長は「八千代は正統派だが、決して敷居は高くない。江戸前寿司の本質である『新鮮さ、細緻さ、親切さ』を香港の日常に届けたい」と意気込む。

 営業時間は11時30分〜23時。利用時間は100分以内。

 ●=示へんに四に羽。