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完全に光をシャットアウトした空間でフレンチディナー、連日満席に

ラウンジフロアはゆったりとしたソファ席で寛ぐことができる

ラウンジフロアはゆったりとしたソファ席で寛ぐことができる

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 香港・中環に6月に開店した、カジュアルラウンジとダークネスレストランの異なる2つのコンセプトを取り込んだフレンチレストラン「アルケミー(ALCHEMY)」( G/F, 16 Arbuthnot road, Central)で連日、満席状態が続いている。経営はフランス系の飲食グループ「フレンチクリエイションズ」で、同グループによる香港で6店舗目の展開。

ラウンジフロアで提供する各種タパス

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 香港に住むフランス人は約2万8000人。日本人と約同数が住み、その数は増加傾向にある。ここ数年カジュアルフレンチレストランも増えているが、同グループはフランスですでに展開されていた「完全に光をシャットアウトし暗闇で食事をする」というアイデアを香港に持ち込んだ。

 日本や海外では暗闇の中で食事をすることで視覚障がい者への理解を深める企画「ダークネスレストラン」が展開されているほか、視覚障がい者サポートの下、暗闇でさまざまな体験を行う「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」などが世界130都市で開催されている。同店は「真っ暗な空間で食事をし、ネット環境から離れることで視覚以外の五感を最大限に使う」ことを目的としたレストラン。

 メディアも取材として一切入ることが入ることが許されないディナープログラムは、ラウンジエリアのソファで好みやアレルギーを確認し、その後、地下に下りて、微(かす)かな明るさがあるロッカールームからスタートする。850スクエアフィートに25席を配置し、席間隔は広く確保。モバイルなどの電子機器や貴重品などをすべてロッカーに入れた後は、足元も手元も見えない暗闇の中を「ガイド」と呼ばれるスタッフの肩に手を置いて、座席まで案内される。

 コースメニューは500香港ドル(3コース・ワイン3種ペアリングは+200香港ドル)、580香港ドル(4コース・ワイン4種ペアリングは+270香港ドル)、650香港ドル(5コース・ワイン5種ペアリングは+330香港ドル)の3種類を用意。食べやすいサイズで提供し、味のコントラスト、食感などを楽しむことができるようにした。シェフのパスカルさんはフランス北部ノルマンディー出身で17歳からミシュラン星レストランで修業した後、世界各地を回り、香港を定住の場所に選んだという。メニューは毎週変更する。

 最初は沈黙でスタートしながらも、相手を探すように徐々に話をしていき、最後には通常以上に会話を楽しんでいるグループが多いという。「テーブルに案内してくれたガイドを呼ぶにも、客の名前を呼ぶにも、声でしかシグナルを送れないことで距離感がちぢまることを体験できるのが醍醐味(だいごみ)」と同社広報のジュリーさんは話す。

 平均して1時間~1時30分でコースメニューは終了。その後は全くコンセプトの異なるラウンジでクラフトカクテル、ミクソロジ―カクテルを楽しむこともできる。ラウンジエリアは終日営業をしているため、都会の騒がしさとは隔絶され、ゆったりとしたソファ席に座りながら時間を過ごすこともできる。ランチ時間は140香港ドル~のセットメニューを展開する。

 営業時間は、レストラン「Alchemy in the Dark」=19時~23時(要予約)、ラウンジ「Alchemy Gastro Lounge」=12時~23時。日曜定休。サービスチャージ無し。

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