香港・ビクトリアハーバーのウオーターフロント「西九文化区(WestK)」で11月13日から24日まで、毎年恒例のジャズイベント「Cathay・WestK Jazz Fest」が開催される。今年は初めて2回の週末にまたがる10日間の日程で行い、過去最大規模となる。期間中は100人を超える海外・香港のミュージシャンが参加し、有料・無料合わせて50近いプログラムを展開する。
同フェスは2019年に開業した芸術文化施設「Freespace」を拠点に発展してきた西九の代表的な音楽イベントで、今年で8回目を迎える。ジャズを軸にしながらも、ポップスや即興演奏、ビジュアルアート、ヒーリング体験などを取り込み、ジャンルや表現手法を横断するプログラム構成を特徴とする。今年はより国際色豊かなラインアップがそろった。
最大の話題は、世界的サックス奏者のケニー・G(Kenny G)さんの来港。グラミー賞受賞歴を持つケニー・Gさんが香港で公演を行うのは18年ぶり。11月24日にWestK内の野外会場「Wonderland」でフェスのクロージング公演を飾る。ケニー・Gさんはこれまで全世界で7500万枚以上のセールスを記録してきたが、今回の公演は、中国の名門音楽イベント「モントルー・ジャズ・フェスティバル・チャイナ」との初連携企画として実現した。
オープニングを飾るのは、カナダ出身のジャズシンガー兼ピアニスト、ダイアナ・クラール(Diana Krall)さん。11月13日に戲曲中心(Xiqu Centre)のグランドシアターで公演する。ビルボードのジャズアルバムチャートで8作品を首位デビューさせた唯一のジャズボーカリストとして知られ、グラミー賞2回、カナダの音楽賞ジュノー賞10回を受賞するなど世界的評価を確立している。
そのほか、グラミー賞ノミネート経験を持つ米ギタリストのコリー・ウォン(Cory Wong)さんと、香港出身で世界ハーモニカ大会を2度制したサイ・レオ(Cy Leo)さんによる初共演も実現。ファンク、ジャズ、ポップスの要素を融合させた高エネルギーのステージを披露する予定だ。
また、ジャズボーカリストのステーシー・ケント(Stacey Kent) さん、韓国のジャズシンガーのソン・イ・ジョン(Song Yi Jeon)、イタリアの若手ピアニストでシンガーのフランチェスカ・タンドイ(Francesca Tandoi)さんらも出演。Freespaceでは新進気鋭のアーティストを中心に、より実験的で親密なライブ体験を提供する。
香港勢では、シンガー・ソングライターのJACEとギタリストの張駿豪(Teriver Cheung)さんが共演。ジャズと「Canto-pop(広東ポップス)」を横断する新しい表現に挑戦する。
今年新たに登場する企画として注目されるのが、M+芝生エリアを活用した「Music Healing Zone-Groove Grove」だ。音楽と瞑想(めいそう)を組み合わせた体験型プログラムで、複数の非営利団体と協力して実施する。来場者は海風を感じながら日常の喧騒(けんそう)を離れ、音や空間に身を委ねるリラクセーション体験を楽しめるという。
西九文化区管理局パフォーミングアーツ部門のポール・タム(譚兆民)執行董事は「WestK Jazz Festは香港のみならずアジアを代表するジャズイベントの一つへ成長した。今年は初めて10日間開催し、さらにモントルー・ジャズ・フェスティバル・チャイナとの協力も実現した。香港が国際文化交流ハブとして果たす役割をさらに示したい」と話す。
チケットはCitylineと戲曲中心チケットオフィスで扱う。