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香港大美術博物館で出版80周年記念展「星の王子さまとパイロット」

香港大学で開催中の「星の王子さまとパイロット」展

香港大学で開催中の「星の王子さまとパイロット」展

 フランスでの「星の王子さま」出版から80周年を迎え、現在、香港大学美術博物館(University Museum and Art Gallery, UMAG)(T. T. Tsui Building 90 Bonham Road, Pokfulam, Hong Kong)で特別展「The Little Prince and the Pilot(星の王子さまとパイロット)」が開催されている。

世界各国で翻訳された「星の王子さま」も並ぶ

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 アンスティチュ・フランセ香港(Alliance Francaise de Hong Kong)と共同で開催する特別展として、サン=テグジュペリの人生と創作をたどるもの。作家であり飛行士でもあったアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの多面的な人生を紹介する同展は、世代を超えて愛され続ける名作の背景に迫る試みとして、サン=テグジュペリの家族や友人との交流を示す写真や書簡、飛行地図や私物、原稿や初版本などを公開している。

 「星の王子さま」はサン=テグジュペリがアメリカに亡命していたため、1943年にニューヨークで英語版とフランス語版の初版が刊行された。寓話的な物語と哲学的な問いかけは、子どもから大人まで幅広い読者に響き続けている。孤独、友情、愛、そして「本当に大切なものは目に見えない」というメッセージは、戦時下を生きた著者自身の経験と深く結びついている。同展はその普遍的なテーマを、作家の人生と重ね合わせて提示することで、改めて作品の奥行きを感じさせるものに仕上げた。

 戦時下という状況が、さまざまな人たちの解釈に影響を与えたことも分かる。多くの読者が王子の旅の背景に世界的な紛争を描き、物語が強調する人間同士のつながりを、戦争への静かな抵抗と解釈した。もともと文学者として、英雄的な飛行家としても名声を得ていたものの、発行から翌年の死後、1946年になって本国フランスで出版された。その後、徐々に翻訳版も増え、世界中の読者にも受け入れられ、徐々に古典としての地位を確立していった。

 展示は、サン=テグジュペリの生涯を追う形で展開し、「幼少期」「パイロット時代」「『星の王子さま』の誕生」に分けてステージごとに展開する。作家、画家、航空パイオニア、探検家といった多彩な顔を持つサン=テグジュペリの人生を多角的に捉えることで、「星の王子さま」誕生の背景をより深く理解できる構成とした。

 友達との手紙、幼少期の家族の形見、直筆のスケッチなどが私物を含めて並べる。さらに戦時中の偵察機パイロットとして使った地図やコートなどの軍用の遺品なども展示するため、コーナーごとに空気感も異なる。

 多くの来場者が携帯を構え、明るく映えスポットにもなっている会場の中心には、香港展示のために特別に用意されたカラーオブジェが並ぶ。「星の王子さま」の象徴的なシーンから作った8つの像の中には、王子さまだけでなく、砂漠で出合ったキツネや、自分の星に残してきたバラの花など、物語の世界観を会場に持ち込んだ。

 ほかにも、展示室にはデザイン画や引用文が並び、来場者は王子のキャラクター造形や物語の着想過程、編集・出版に至るまでの道のりをたどることができる。世界各地で翻訳された「星の王子さま」は表紙、タイトル、王子さまの配置や表現に至るまで国ごとの違いがあることも知ることができる。

 開館時間は9時30分~18時(日曜は13時~)。月曜・祝日休館。入館無料。

 10月18日まで。

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