香港の最大手スーパーマーケットの一つ「惠康(Wellcome)」が6月8日、香港の歴史的な文化遺産や街頭カルチャーをデザインに取り入れた「ノスタルジー体験型コンセプト店舗」2店舗を新たにオープンした。
香港を象徴してきた屋外食堂や大衆食堂文化をテーマにした旺角店
昨年、油麻地駿發花園店が懐かしい香港の街角を再現した「レトロ惠康」として登場し話題を呼んだが、それまでの規模感ではないものの、油麻地店とまた違った要素を詰め込む。堅尼地城域多利道店(Shop 3-7, Block 2, Centenary Mansion, 1 Victoria Road, Kennedy Town, Hong Kong)と旺角星際城市商場店(G/F, Chung Kiu Commercial Building, Sim City,47-51 San Tung Street, Mong Kok, Kowloon)をリニューアルし、香港ならではの電車文化や街頭文化をテーマにした空間を披露している。
同社は創業1945年以来、香港市民の生活に寄り添ってきた。近年は生活必需品を提供するだけでなく、店舗デザインに香港独自の文化を取り入れ、買い物そのものを体験型に進化させる戦略で動いている。
堅尼地城店は香港の路面電車である「トラム(叮叮電車)」をモチーフにしたデザインで登場。床にはトラムのレール模様を描き、買い物客はまるで電車に乗って街を巡るような感覚で商品を選べるようにした。店内には昔ながらの軽食スタンド「堅記小食亭」や、1990年代ごろから香港で流行したアイドルカード(トレーディングカード)をモチーフにした「Yes!カード投影機」、ローカル文具店の前に止められた移動式アイスクリーム販売バイクなど、80~90年代の香港カルチャーを思い起こさせる仕掛けを随所に施す。香港の大手製パン会社「嘉頓」の「生命麺包」「朱古力忌廉檳」など世代を超えて愛される菓子など、「青春の味」も並べた。
実際に街を走るトラムとの連動企画として、7月11日まで運行される特別電車に、内外装共に惠康の懐かしさを呼ぶデザインを施した。限定商品としてネオンマグネット「惠康燈箱招牌磁石貼」も登場し、100香港ドル消費で28香港ドルを追加すると購入できる。
旺角星際城市商場店は、今では数も減った香港を象徴してきた屋外食堂「大排●」や香港の大衆食堂「茶餐廳」文化をテーマにした空間を入り口付近に展開。透明ボトルに入った香港人気のラガービール「藍妹」を提供する大排●の設定とした。地下に店舗があるが、入り口の階段の途中に旧式のポスト「赤黄惠康招牌」、階段には彌敦道の夜景写真を貼り、看板がひしめいていた昔の旺角へとタイムスリップさせる工夫を凝らす。床にタイル調のシートを貼り、「惠康大排●」コーナーを設け、簡易コンロとして使った「火水爐」や香港ミルクティー専用ポット「港式●茶壺」などの懐かしいアイテムを並べた。
宴席や大排●でよく使われる掛け声で、豪快にグラスを掲げる香港独特の乾杯文化である「飲勝」や香港の俗語で、仲間同士でお酒を飲むときの掛け声であり、数字のリズムを使った遊びのような表現で、「みんなで一緒に飲もう!」というニュアンスを持つ「十五二十」の文字を並べたネオンサインが街頭の乾杯文化を再現している。
写真映えスポットも豊富で、旧郵便ポスト「懷舊郵箱」やおもしろ鏡「哈哈鏡」などをプリントした階段、金魚街の街景を再現した壁面なども設置し、撮影を楽しめるようにした。さらに90年代に街中で見られたピンポン玉を使って遊ぶゲーム機「●●球彈簧拉杆機」も登場。限定商品として携帯用マグネットホルダーや香港製造のローカルメーカーが展開するミニトーストや干し肉のスティック、ポップコーンのチャームなども販売し、観光客向けの手軽な香港土産として展開する。
営業時間は、堅尼地城店=8時~22時、旺角店=8時30分~23時。
●=木へんに當、●=女へんに乃、●●球=兵兵の下のハの字を1文字目は左のみ、2文字目は右のみ。迷●=にんべんに尓。