カジュアルなタパスを中心にスペイン伝統料理を提供する「PICO」(Empire Centre, 68 Mody Road, East Tsim Sha Tsui, Kowloon)が5月27日、尖沙咀東にオープンした。
店名にもなっているPICOはスペイン南部に伝わるパンの名前。細長いステック状のもので、小麦粉、水、塩、こしょうのみで作られ、スペイン南部では自宅で作っている家庭が多い。スペイン料理は味が濃いメニューが多いため、PICOと合わせて食べる。この店ではPICOはお代わり自由だ。
店内は清潔感のある白を基調に、「スペインの南部地方にはどこにでもあるような雰囲気」(同展)に仕上げた。席数は外のテラス席を含めると約100席。
オープンにあたり、香港に6年在住し、レストランマネジャーを務めるホセ・トーレス(JOSE TORRES)さんは「メニューの大半は母親のレシピ。母親が作ってくれた手料理を忠実に再現してみた。メニュー開発のときに試行錯誤しても、同じ味が表現できないときには母親に電話をしていた」とはにかむ。
メニューはタパス中心で、48カ月熟成させたイベリコ豚のハムが80グラムで、298香港ドル。ピクルスの盛り合わせが72香港ドル。ほかにも一品料理として、タラとパプリカのトースト(68香港ドル)、野菜のクロケット(58香港ドル)、エビのニンニクオイル焼き(78香港ドル)などがメニューに並ぶ。スペイン南部には漁港もあり海鮮が豊富。そのため南部のレストランには海鮮を使ったタパスが多く、同店にもその傾向は息づいている。
ドリンク類を多数そろえていることも特徴で、9カテゴリー、約90種類のドリンクを用意する。中でも自家製サングリア(白サングリア・赤サングリア、各68香港ドル)。レシビはワイン・オレンジジュース、トリプルセックとオレンジリキュール、ブランデー、砂糖、フルーツ、シナモンなど。「サングリアもトーレス家の家庭の味。暑い夏には冷たい白サングリアがおすすめ」とトーレスさんは自信を見せる。
ランチは98香港ドル~118香港ドルで、前菜はビュッフェ、メーンは指定のものから1つ選ぶスタイル。
営業時間は12時~22時30分(ラストオーダー、営業は深夜まで、ランチは15時まで)。同店を運営する飲食グループ「Shone」はセントラルでもウエスタンレストランを展開し、来月には同店隣にニューヨークスタイルのレストランをオープン予定。