ロンドンで人気を集めるポルトガル菓子店「サンタ・ナタ(Santa Nata)」(25-27 Lyndhurst Terrace, Central, Hong Kong TEL 35945724 )が7月2日、香港・中環の擺花街 にアジア初の旗艦店をオープンした。
看板商品は、300年以上の歴史を持つ伝統菓子であるエッグタルト「パステル・デ・ナタ(Pastel de Nata)」で、創業者フランシスコ・オリベイラ(Francisco Oliveira)さんが本場ポルトガルの味を忠実に再現しながら、香港の食文化に合わせて調整した。
2019年にロンドンで創業した同店。オリベイラさんはポルトガル中部に位置するサンタレン出身で、三世代続くパン職人の家系に育った。企業人としてのキャリアを経て「本物の味を世界に届けたい」との思いからロンドンに渡り、初店舗を開業。瞬く間に人気を集め、現在はロンドン市内に6店舗、オックスフォードに1店舗を展開する。クウェート、ドーハ、イスタンブールにも進出し、香港店は世界で10店舗目、アジア初の拠点となる。
香港店は約700平方フィートのスペースに、8席の座席と8人名分のスタンド席を備える。オープンキッチンでは職人が手作業で焼き上げる様子を間近に見ることができ、ライブ感も大切に考えた。焼きたての香りが漂う店内は、リスボンのカフェ文化を意識した温かみのあるデザインでまとめたという。
メニューは3種類のペストリーを中心に展開するが、看板商品の「パステル・デ・ナタ」は、幾重にも折り込んだパイ生地に「滑らかな」カスタードを流し込み、高温で焼き上げることで、香ばしいキャラメリゼとクリーミーな食感を両立させたタルト(単品=14香港ドル、2個=28香港ドル、4個=56香港ドル、8個=112香港ドル)。香港店では毎日10時、12時、14時、16時、18時に焼きたてを提供する。
ほかに、ココナツペーストを包み込み、カスタードを重ねたふんわりとした甘いパン「Pao de Deus」(25香港ドル)、フランス風クロワッサンの形に焼き上げたブリオッシュ「Santa Nata Brioche」(25香港ドル、ナタクリーム追加は5香港ドル)も用意した。
ドリンクは、濃厚なカスタード風味の「Nata Latte」(48香港ドル)、香港風にアレンジした「Nata Milk Tea」(45香港ドル)、コーヒーや紅茶(30香港ドル~)をそろえる。テイクアウトやシェアボックスにも対応する。
香港店では、30~60日ごとに新作を投入する「月替わりメニュー」を導入。季節限定のペストリーや香港限定のカスタードスイーツなどもそろえる。オリベイラさんは「香港は世界でも最もダイナミックな食文化を持つ都市。伝統と革新を融合させ、常に新しい体験を提供したい」と話す。
香港のスイーツ市場は、地元の伝統菓子から国際的ブランドまで多様性に富んでいる中、同店は「本場の味と新しい体験を両立させることで差別化を図りたい」とする。焼きたてを提供するタイムスケジュールや月替わりの限定メニューは、リピーターを生み出す仕掛けとして用意した。
サンタ・ナタの哲学は「最高のナタを作るには、最高の生産者と最高の素材が必要」というもの。持続可能な生産方法を重視し、伝統的な技法を守りながらも現代的な感覚を取り入れた。香港では、「地元の嗜好に合わせて甘さを控えめに調整し、より軽やかな味わいを実現させた」という。
営業時間は10時~21時。現金の使用不可。