香港からの誘客拡大を狙う宮崎県宮崎市が6月21日、美食と観光の魅力発信を目的とする観光交流会「宮崎 MIYAZAKI 魅力之旅 2026」を灣仔の居酒屋「炭兎」で開催した。宮崎市観光戦略課の本間彰人課長ほか、宮崎市観光協会や宮崎県香港事務所などの関係者が集まり、最新の観光情報と食文化を旅行会社やメディア、インフルエンサーたちに直接紹介しする機会を設けた。
日本政府観光局の統計によると、2026年1月~5月の香港からの訪日客は108万41594,159人に達し、世界でもトップ5に入る規模となっている。一方で鹿児島や熊本に就航していた航空便が、昨年香港内で拡散した「地震のうわさ」を発端とした情勢で相次ぐ停便に追い込まれて以降、まだ復活していない。宮崎市の宿泊は県内の多くの割合を占めるが、2025年の香港人宿泊者数は8,876人で、前年から4割ほどマイナスの状態となり、韓国、台湾に次ぐ3番目の市場としての「香港」の維持拡大を目指し、昨年に続く積極的なプロモーションを展開している。
会の冒頭、本間課長は「宮崎はノー・オーバーツーリズム、青い海、青い空のもと、ヤシの木などリラックスできる場所」と同市最大の強みを強調した。同市は温暖な気候と豊富な日照に恵まれ、和牛やマンゴーの一大産地であると同時に、日本建国神話の舞台としても知られる。ほかにも、日南海岸の「鬼の洗濯板」や縁結びで知られる青島神社など、神話と自然が織りなす絶景を取り上げた。
同市は昨年もメディアやインフルエンサー、旅行会社など8人にファムツアーを実施。市内の魅力を語るうえで、少し広域の高千穂や日南なども行程に組み込むことで幅広く紹介している。「香港市場は特に体験やフルーツなどが好き」と市場を捉え、新しいコンテンツの売り込みにも積極的だ。同市内には「流域旅」と名付けた新しい旅の提案がある。これは、加江田川流域を一つのフィールドとして捉え、7.5キロ圏内の山・渓谷・森・田園・海といった多様な自然を一体的に体験できる旅のスタイルだという。「体験も好きで効率的にあれこれ楽しみたい香港人観光客に向けても、これらをサイクリングで楽しむような提案もしていきたい」と本間さん。
各国に観光アプローチを仕掛ける中で、「例えば欧米豪の人たちだと、地元の人たちとの交流を好むなど、国やエリアによってニーズも違う。二次交通などにも課題がある中、香港人にも目的を持って来てもらたい」と意気込む。
イベントでは、宮崎の代表的な食材も紹介。宮崎牛や地鶏などをはじめ、甘酢とタルタルソースを合わせた南蛮鶏、魚と味噌をベースにした冷汁など多彩な郷土料理が並んだ。中でも注目を集めていたのは「佐土原茄子(なす)」で、サラダ風に生で生ハムやマスカットを添えたものと、焼きナスをお浸しにし、甘みを引き出したものを提供。一般的なナスより大きい佐土原茄子は、宮崎市佐土原町で江戸時代から栽培されてきた伝統野菜で、一度は絶滅しかけたものの、2000年以降、奇跡的に数粒の種が発芽して復活したという。「こうした食材にまつわるストーリーも香港市場には響くのでは」と本間課長は食材と組み合わせた観光の提案の重要性も強調した。
宮崎は焼酎の産地としても知られることから、雲海酒造の「木挽BLUE」、神楽酒造の「天孫降臨」、霧島酒造の「黒霧島」なども紹介し、宮崎のかんきつとしても知られる「へべす」と組み合わせたサワーなども振る舞った。