香港で国際漫画賞の授賞式-銅賞の香港人に賞状授与

入賞を称え、香港の漫画家に表彰状が授与された

入賞を称え、香港の漫画家に表彰状が授与された

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 外務省が海外で漫画文化の普及に貢献する漫画作家を顕彰する目的で創設した国際漫画賞(International Manga Award)が今年で7回目を迎え、香港からの出品作「九龍城寨 City of Darkness」で銅賞を獲得した司徒劍僑(Andy Seto)さんと余皃(Yuyi)さんに5月24日、灣仔のHong Kong Comix Homebase(動漫基地)で賞状が授与された。

九龍城寨をモチーフにしながらも、日本的要素も漂う作品

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 国際漫画賞は、2007年に当時の麻生外務大臣のイニシアチブのもと創設された賞で、創設以来、海外への漫画文化の普及と漫画を通じた国際文化交流に貢献した漫画作家を顕彰することを目的として、毎年実施されている。

 今年は世界の53の国と地域から256作品の応募があり、募集作品の中から最優秀賞と優秀賞が決定され、授賞式が2月に東京で開催された。またこれらに続く賞として、15作品の入賞のうち香港から応募された同作品に、外務大臣に代わり在香港日本国総領事の野田仁総領事が賞状を手渡した。授与式には香港の漫画・アニメ関係者など50人が集まり、展示は1日のみだったものの、会場には400人近いファンが訪れた。

 第1回と第2回の最優秀賞は香港だったが、その後最優秀賞は出ておらず、タイや中国本土、台湾、マレーシアなどからの応募が多くなっているという。香港からは4作品の応募があり、その中で同作品が入賞。

 受賞者のアンディーさんは「漫画を描き続けて30年になるが、今回は初めての応募だった」と話し、「小さいころからマジンガーZやウルトラマン、キャンディキャンディなど日本のアニメに親しんでいた」という。80年代の九龍城寨を舞台に黒社会を描いたもので、現地の小説の原作を基にコミックに仕上げた作品。「リアリティーを出すため当時走っていた車など一つ一つを調べながら作品を完成させた」という。全8巻各130~140ページ構成のオールカラー作品。

 総領事館広報文化部の又平領事は「今回の授賞式・展示会には、香港のマンガ・アニメ関係者や多くのファンがお祝いに駆け付け、「マンガ文化」が当地に広く深く浸透していることを実感した。今後も「国際漫画賞」の広報に努め、第1回、第2回に次いで、再び香港の方が最優秀賞を獲得することを期待したい」と話す。

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