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香港の老舗家族経営レストランが1年ぶりに復活-中環から柴灣に移転

中環の最終日に撮った家族写真

中環の最終日に撮った家族写真

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 昨年4月に惜しまれながら閉店した中環の老舗ローカル飲食店「牛記茶室」が4月25日、同じ港島線の東の終点柴灣(チャイワン)駅の住宅街・高威廣場(Shop A2, 1/F Koway Court,111 Chai Wan Road,TEL 2546-2584)に移転オープンした。

オープンして間もないがすでに地元の人で活気づく店内

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 中環時代、士丹頓街から歌賦街に移転しつつも約60年同じエリアで営業を続けてきた同店。社長の麥炳權さん(61)が1996年に前のオーナーから店を引き継ぎ、中環に住みながら地元に根差した家族経営で店を運営してきた。

 中環での営業が継続できなくなった理由は「家賃の高騰」。4万9000香港ドルだった家賃は最終的には13万ドルにまで高騰した。麥さんの長男・浩源さん(34)は「悔しいとか諦められないという葛藤の気持ちはあったが、シャンパンを飲みながら次の店舗のことも考えていた」と中環最終日の様子を振り返る。

 今回同店をオープンした柴灣は麥さん一家にゆかりはなく、中環で閉店後に場所を探し続け「偶然見つけた場所だった」と浩源さん。居抜きの店舗で調理場、調理器具などそのまま使える状態だったことが決め手となったという。仕入方法や調理方法は以前と変わらず、炳權さんが香港仔でイカなどの海鮮を仕入れ柴灣まで毎日運び、息子3人を中心に店を切り盛りする。

 香港ローカルのショッピングアーケードの階上にある同店は、4人掛けや10人掛けの丸テーブルを37テーブルそろえ、12人用と24人用のプライベートルームも計3室用意した。

 メニューも中環時代を踏襲するが、営業時間については周辺の環境を鑑み、朝7時からオープンすることに決めた。飲茶や飯・麺類、アラカルトまで約250種類を用意する。客層は、朝と夜は地元の家族を中心に、昼間は近くの工場で働く人も多く訪れるという。

 同店のおすすめメニューはシェア用の牛バラ肉と大根のスープ「清湯蘿蔔牛腩●」(168香港ドル)やレンコンに似た食感と味のシログワイやカリカリの鶏の皮、塩漬け魚のミンチ、シイタケなどを混ぜて、一度蒸してから揚げることで余分な油分を落とした大判つくね「脆皮肉餅」(75香港ドル)など。ニガウリと卵の炒め物「咸蛋肉鬆炒涼瓜」や、オリジナルのタレで調理した「潮式乾炒茄子」(同68香港ドル)などが人気メニューだ。

営業時間は7時~16時、18時~23時。

(●は保かんむりに火)

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