第27回香港国際旅游展「ITE」開幕-鉄道会社など日本企業も奮闘

日本ブースでは、県の枠組みを超えて地域ごとにアプローチするブースが多数見られた

日本ブースでは、県の枠組みを超えて地域ごとにアプローチするブースが多数見られた

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 3連休があれば海外旅行に出かけるという人も多い香港で6月13日、香港国際旅游展「ITE」が開幕した。会場は例年通り、香港コンベンション&エキシビションセンターで、1万6000平方メートルの会場に47カ国680の企業、団体が集結。新たな参加国として、キプロス、フィンランド、インド、イラク、モロッコなどを迎え、国際都市香港ならではのラインアップとなった。

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 また今年は新たに「スポーツツーリズム」という旅行のアプローチにも焦点が当て、各国の観光局、自治体や、旅行会社やメディア、ホテルなどがそれぞれの魅力をアプローチする。

 日本からは約30の自治体や団体、商業施設のブースが出展。今年は例年以上に横の連携が取られ、県や地域の垣根を越えて大きな枠組みでアピールすることで、香港の旅行客を獲得しようという意気込みが感じられている。鉄道会社の出展数も増加。背景には、香港からの個人旅行客のさらなる増加傾向を意識して日本政府観光局(JNTO)が香港市場に向けてプロモーションをしている「レール&ドライブ」施策とも関連し、香港からの旅行客が個人旅行で日本を訪れていることが考えられる。

 日本関連ブースの中で最大となる4ブースにわたり展開していたのは、関西地域振興財団、大阪観光局、南海鉄道による関西ブース。関西のブースに南海鉄道が参加することで、個人旅行客の移動手段も一緒に提案ができ、香港市場に対してより利用者目線に立ったアプローチをしていた。

 南海鉄道で香港地区を担当する川原周史さんは「個人旅行者が多い香港だからこそ、関西地域のアプローチに自分たちが参加しルートと提案することが重要」とし、アプローチの成果は着実に出てきているとした。南海電鉄関西空港駅から難波駅までの片道乗車券・特急券と、大阪市営地下鉄・ニュートラム・バス全線1日フリー乗車券、大阪市内観光での割引がセットになった海外向けチケット「ようこそ!大阪きっぷ」は、昨年同時期に販売枚数0枚だったものが、香港の旅行代理店の協力もあり4000枚の販売につながったといい、手応えを感じているという。

 また、大自然の山と海に囲まれているものの、まだまだ個人旅行客にとってハードルが高いとされる四国エリアは、「岡山、香川、兵庫」の連携チームで出展。自治体の枠を超えて動きやすいルートを提案することで、香港の個人旅行客、団体客獲得に向けて奮闘している。兵庫県国際局観光交流課の田中耕一さんは「兵庫の中を回るルートを紹介するよりも、岡山、香川とまとめて周遊するプランを提案した方がスケールもあって魅力的だろう」と語る。

 本年度のパートナーカントリーは中国。しかし日本勢や台湾、韓国勢も負けずに来場者にアプローチし、海外旅行に慣れた香港人に対してより細かな情報提供にいそしんでいる。

 開催時間は13日・14日=10時~18時、15日=10時~19時、16日=10時~17時。13日・14日は業界関係者のみで、15日・16日は一般客も入場できる。入場料は13日・14日が50香港ドル、15日は25香港ドル、16日は15香港ドル。今月16日まで。

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