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休業の波は小売店にも 貴金属店とファッション関係は契約満了を機に更新しない選択が

多くの小売店にも影響がでている香港市場

多くの小売店にも影響がでている香港市場

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 新型コロナウイルスの感染拡大により客足が減り飲食業が影響を受けているが小売業や観光業なども影響を受けている。「インターコンチネンタルホテル」は閉鎖し、書店「大衆書局(Popular Bookstore」は小売店全店の閉鎖をしたほか、日本のコスメブランド「CANMAKE」は旺角(Mong Kok)店を4月12日に閉鎖する予定だ。

 政府統計処は3月31日に2020年2月の小売統計を発表し、総売上高は前年同月比44%減の227億香港ドルであったことを発表した。44%の減少幅は記録上では過去最悪の数字だという。1月と2月の合算でも前年同期比で31.8%減となった。項目別で減少幅が一番大きかったのは「宝飾品・時計・高級贈答品」の同58.6%減で、「衣類」も同49.9%減と半減した。他の分野も2割~4割減少し、厳しい結果となっている。

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 尖沙咀(Tsim Sha Tsui)の「インターコンチネンタルホテル」は4月2日、4月20日で営業停止すると発表した。約500人の従業員がほぼ保証なく解雇となる。2022年を目標にリージェントとして再稼働することが決まっているが1カ月前の通知をしなかったことも波紋を呼んでいる。同じく尖沙咀の「華國酒店(Hotel Benito)」は6月に営業を停止すると決めた。

 大手書店「大衆書局」は香港内にある全16店の閉鎖を決定した。ただし、同社は教材の出版業もあることから、こちらは継続する。

 化粧ブランド「CAMMAKE」の旺角(Mong Kok)店は4月12日に閉鎖する事が決まったほか、コスメチェーンの莎莎(SaSa)は一時21店舗が休業に追い込まれている。

 ファッションブランドでは、ヴァレンティノが海港城(Harbour City)にある旗艦店について契約更新を行わず閉店した。逃亡犯条例改正案のデモ、新型肺炎で中国人観光客が減ったことが要因。一方、グッチは営業時間を平日=9時~20時、土曜=9時~18時に短縮し、宝飾品最大手の「周大福(Chow Tai Fook)」は一時最大で40店を休業した。ホームセンターの「實惠(Pricerite)」は4店を閉鎖したほか中堅クラスの給与を20%、管理層を40%削減することを明らかにした。「馬莎百貨(Marks & Spencer)」は従業員がコロナウイルスに感染したため香港内全店が一時休業に追い込まれている。再開に見通しは立っていないが経済的ダメージは大きい。

 尖沙咀にあったイギリスの有名シェフ、ジェイミー・オリバーさんが運営していたイタリアン「Jamie's Italian」はイギリス本社が破綻した上で肺炎が影響した結果、閉店に追い込まれたが、似たような状況にあるのが「Cath Kidston」だ。新型肺炎の影響でイギリスの経営陣が売却に関して裁判所に管財人に関する書面を提出した。香港にある6店は展開しているが状況次第では存続が危ぶまれる。

 教育業界でも大埔(Tai Po)にある「伊頓国際幼稚園(EtonHouse International Pre-School)」は学校の一時休校が長引き、6月26日に学校を閉園することを明らかにした。

 零售管理協会(HKRMA)の邱安儀主席は「2000店の協会員に話を聞くと6割の店が閉店や休業を考慮し、貴金属店とファッションは契約満了を機に更新しないという店が多いようだ」と危機感を示す。