世界的なポップカルチャーイベント「コミコン」が香港に初上陸し、香港コンベンション&エキシビションセンターで5月29日~31日の3日間、「香港コミコン2026(HKCC 2026)」が開催された。映画、コミック、アニメ、ゲーム、フィギュアやカードなどのコレクティブルが一堂に会する祭典で、国際的なスターやクリエーターとの交流が実現。香港での初開催は、賑わいの中で幕を下ろした。
もともとは1964年にニューヨークで初開催され、アメリカの主要都市で大規模に開催されてきた。特に米サンディエゴで始まった「San Diego Comic-Con」が代表的なもので、1970年から毎年開催され、ファンとクリエーター、業界関係者が交流する場としても発展。展示エリアでは、欧米のコミック・映画・テレビIPとの連携に加え、スターたちのパネルセッションのほか、アーティスト・アレー、コスプレ、海外俳優との一対一のサイン会や撮影会ミートザスター(Meet The Stars)に注目が集まるイベントだ。
今年は開催の延期が発表されているアニメイベント「香港動漫電玩節 ACGHK」と比較して、同イベントは映画やドラマの世界観、スターとの接点、国際IPの見せ方に重きがある。主催はOptics Ventures、共同主催は映画制作やIP事業を手がけるOne Cool Group。同イベントには展覧集団やCyber Games Arenaなども参画し、eスポーツや体験型コンテンツを展開した。
世界的スターが香港に集結することになり、「ハンニバル」「ローグ・ワン」などのマッツ・ミケルセンさん、「マンダロリアン」「ブレイキング・バッド」のジャンカルロ・エスポジートさん、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で知られるクリストファー・ロイドさんらが来港。他に、「ストレンジャー・シングス」のジェイミー・キャンベル・バウアーさん、「ハリー・ポッター」と「ブリジャートン」で出演したケイティ・リューンさん、「スター・ウォーズ」のダニエル・ローガンさんも来港し、海外からも多くのファンが駆けつけた。
香港映画界からも参画があり、同イベントの公式アンバサダーは、香港映画界のトップスター、ルイス・クー(古天楽)さんが務めた。自身の膨大なコレクションを展示する特別企画もあり、マーベルやDCの等身大フィギュア、ハリウッド俳優直筆サイン入りポスターなども公開した。「ディズニー」「スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー」のほか、オープンワールド型アクションRPG「サイバーパンク2077」など人気コンテンツも出展。香港オリジナル作品「尋秦記」「Another World(世外)」も紹介した。
「尋秦記」は香港小説家ウォン・イー(黄易)さんの小説作品で、主人公が秦代にタイムスリップした物語。2001年から放映された実写ドラマで、クーさんが主人公を担当し、2025年末に映画の上映によって再度、大きな人気を集めている。今回は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」とコラボし、両作品を担当した2人によるステージイベントが注目を集めた。
一方、香港のアカデミー賞に当たる「第43回香港電影金像奨(Hong Kong Film Award)」で8項目にノミネートされた、香港で制作されたアニメーション映画「Another World」は今回、没入型体験館とコラボレーション企画で出展し、作品の膨大な世界観を表現する。会場限定のグッズも販売した。
日本初作品では、Netfilxで実写化された人気漫画作品「ワンピース」も参加し、キャラクター「チョッパー」のグリーティングも。そのほか、2025年末にサービスを開始したMMORPGゲーム「FINAL FANTASY XIV」も出展した。
「この3日間で目にしたのは、予想を超える来場者数だけでなく、ファンの情熱、創造力、エネルギーそのものだった」と主催はコメントし、「香港コミコンは、世界のポップカルチャーとファンダム、クリエイティブコミュニティが一堂に会する場を築くというビジョンから生まれた。そのビジョンが香港で初めて形となったことは非常に意義深い瞬間だった」とも。
さらに、「コミコンは単なるイベントではなく、東西のポップカルチャーをつなぐ橋」と強調。「これはまだ第一歩。私たちは香港発のコミコンをさらに進化させ、世界へと広げていく」とし、香港をアジアのポップカルチャーとIP取引の中心地に位置づける狙いだ。