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香港で「水上タクシー」がトライアル運航スタート 3エリアを結び当面は観光向けに

香港で運航がスタートした水上タクシー

香港で運航がスタートした水上タクシー

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 北角(North Point)~観塘(Kwun Tong)や中環(Central)~紅●(Humg Hom)などを結ぶフェリーを運航している富裕小輪(Fortune Ferry / CKS)は7月3日、紅●~尖東(Tsim Sha Tsui East)~中環を結ぶ水上的士(Water Taxi)の運航を始めた。

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 これは元々、2001年に香港内でのフェリー航路の研究の提言が始まり。特にラッシュアワー時の海底隧道(Cross-Harbour Tunnel)が慢性的に混雑する実情を踏まえ、その解消に向けて水上航路の可能性について継続して政府の各部署で検討が行われてきた。2020年には立法会の交通事務委員会で就航にむけ本格的に議題として取り上げられ、その中で、中環~紅?間とは啓徳(Kai Tak)~紅●~尖東~中環~西九(West Kowloon)、湾仔(Wan Chai)~紅●を結ぶ3つ路線の話し合いが行われた。その結果、CKSは2020年6月から中環―紅?間の運航を9年ぶりに担うことになった。そして、今回は2路線目の運航が始まったことになる。

 CKSによる中環~紅●間や中環~尖沙咀(Tsim Sha Tsui)などを結ぶ天星小輪(Star Ferry)では、決まった出発地と到着地の2点間の往復だが、路線間であれば自由に乗船・下船できる場所が複数あるため「水上タクシー」の名前を付ける形を取った。

 当初の計画では、この5つの埠頭(ふとう)を回り、月曜は1日3便、土曜・日曜は1日4便で就航するはずだった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響などから、啓徳と西九は運航の対象から外れたほか、土曜の1便で行うことで当面の間トライアルとして始めることを決定。まずは、7月1日の香港の返還記念日に合わせてテスト運航が始まった。

 現在のスケジュールは19時20分に紅●の南埠頭を出発し、19時35分にK11 MUSEA裏の星光大道(Avenue of Stars)北東部にある尖沙咀公衆埠頭を出港する。次に19時55分に中環の8号埠頭を出発して、20時からの「幻彩詠香江(A Symphony of Lights)」を鑑賞。20時15分に尖沙咀公衆埠頭に戻るというルートだ。土曜の1便のみということでシンフォニー・オブ・ライツの鑑賞を組み込む観光船という形式を取ることで乗客数の確保も狙う。

 料金は10、14、24、28、38、48香港ドルの5種で、乗船と下船の組み合わせで料金が変わる。自転車を持ち込むことも可能で、料金は14香港ドル。船は170人乗りで、船の甲板部があり、そこから空いっぱいにシンフォニー・オブ・ライツを眺めることができる。トイレ、空調設備、無料のWi-Fiも完備する。

 トライアル期間は正式には決まっていないが、乗客数や新型コロナの状況などを踏まえた上で評価を行い、便数や運航日、ルートの拡大を図るかどうかを決める見込みだ。

 ●=石へんに勘

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