香港旅遊業議會(Travel Industry Council of Hong Kong／TIC)、匯衆展覽服務（TKS Exhibition Services／TKS）、（香港國際旅遊展International Travel Expo／ITE)は5月20日、合同で行った旅行についての調査結果を公表した。渡航解禁後でも、渡航先での隔離および香港に戻ってきたときの隔離は受け入れがたいと考える人が多いことが浮き彫りになった。

　調査は2021年4月30日～5月7日、過去にITEの一般公開日に参加した人を対象に調査をインターネットで実施。1394件の回答を得た。

　「渡航解禁後どの位で旅行をするか？」は、「1カ月以内」＝18％、「2～3カ月」＝26％、「4～6カ月」＝22％、「7～12カ月」＝34％だった。「コロナ禍は来年の旅行の予算に影響するか？」については、「影響しない」＝36％、「予算＝増える」＝16.8％、「分からない」＝26.9％、「予算＝減る」＝19.4％となった。「安全な旅行をするために通常の予算の何割増なら支払えるか？」は、「1割」＝34.4％、「2割」＝31.7％、3割以上＝9.9％で、「払わない」も27.1％いた。

　香港政府が渡航を解禁しても、渡航先が隔離などを解除している保証はない。そこで「旅先の目的地で隔離をする場合どの位なら受け入れられるか？」という問いには、「14日」＝3.1％、「7日」＝11.3％、「3日」＝33.2％、「受け入れられない」＝52.4％となった。一方、香港に戻ってきたとき、もし隔離する場合については、「14日」＝4.7％、「7日」＝14.3％、「3日」＝33.1％、「受け入れない」＝47.8％と、両方の結果を見ると「隔離されたくない」ことが改めて明確になった。

　「旅行期間中の納得できるPCR検査の頻度は？」という質問に、「1日1回」＝9.1％、「3日に1回」＝22.3％。「週1回」＝41.5％、「納得できない」＝27.1％という結果に。「旅行先を選択する最も重要な要因は？」という質問には、「旅行制限と隔離期間」＝33.8％、「衛生措置」＝31.6％、「柔軟性のあるキャンセル制度／返金ポリシー」＝18.7％、「割引額」＝16％と続いた。

　「旅行制限が部分的に解除された場合、団体ツアーよりも海外個人旅行（FIT）より安全か？」については、「はい」＝17.6％、「そうかもしれない」＝25.5％、「わからない」＝23.7％、「いいえ」＝33.2％。「コロナ後の団体ツアーは何人が理想的か？」には、「10人以下」＝39.6％、「11～20人」＝49.9％、「21～30人」は8.8％、「30人以上」＝1.8％となった。

　「渡航制限が完全に解除された場合、優先的に旅行する目的地は？」という問いには、「中国本土・マカオ・台湾」＝34.8％、「東南アジア」＝34.4％、「北東アジア」＝14.9％、「北アメリカ・ヨーロッパ」＝8.2％、「オーストラリア・ニュージーランド・南太平洋」＝6.5％、「南アメリカ・アフリカ・中東」＝1.2％だった。「完全解除後の旅の目的」については「美食、健康、買い物、レジャー」＝50.9％、「コアな旅行」＝20.6％、「家族で楽しむ、親戚訪問」＝4.1％。「クルーズ」＝4.1％、「ビジネス＆MICE」＝2.8％となった。

　同日の5月20日、香港の旅行代理店最大手の「康泰旅行社（Hong Thai Travel Service）」は「ワクチンパスポートと旅行意欲」についての調査結果を発表した（複数回答可）。600人を対象とした調査で、35歳～64歳が8割を占め、男女比は58対42。

　「ワクチンパスポートが始まり、中国本土・マカオなどへの旅行のためにワクチンを接種するか？」との質問には、「いいえ」＝78％、「はい」＝22％だった。「中国エリア以外で、東南アジアで訪れたい国は？」との問いには、「日本」＝210人とトップ。2位は「タイ」の151人、「台湾」＝150人、「韓国」＝107人、「マレーシア」＝81になどがトップ5となった。日本、台湾、韓国という、設問以外である東アジアの国々がランクインしたのが興味深い。「中国エリア以外で長距離旅行をしたい地域」については、「ヨーロッパ」＝114人、「オーストラリア、ニュージーランド」＝79人、「アメリカ、カナダ」＝54人、「地中海沿岸国」＝40人で、「ロシア」と答えた人は36人だった。

　「コロナ後の最初の旅行期間」では、「5～6日」＝201人、「3～4日」＝162人、「7～10日」＝90人、「10日以上」＝69人、「1～2日」＝50人、「その他」＝9人と回答した。「旅行のスタイル」での問いでは、「個人旅行」＝263人、「ツアー」＝244人、「少人数のツアー」＝31人などとなった。