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アジア最大の映像見本市「香港フィルマート」閉幕 日本の映像コンテンツも多数

「ジャパン・ブース」で、初出展した鹿児島放送の商談

「ジャパン・ブース」で、初出展した鹿児島放送の商談

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 香港の灣仔コンベンション&エキシビションセンターで3月13日~16日、21回目となる「香港フィルマート」(香港國際影視展)が開催された。主催は香港貿易発展局。

4K液晶モニターでバイヤーの目を引く「Regions of Japan」ブース

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 同見本市は、フランスの「カンヌ国際映画祭」、米国の「アメリカン・フィルム・マーケット」と並ぶ世界有数の映像コンテンツ見本市で、今年は35カ国・地域から800社以上が出展し、中国大陸からは過去最高となる約220社が参加。映画をはじめ、テレビ、ゲーム、アニメなどの関係者が香港を訪れた。例年通り北京、上海、四川などの大都市エリアのブースが登場したほか、寧波市や福建省など初めて出展するエリアもあり、中国の映像エンターテインメント市場の拡大ぶりがうかがえた。

 今年はドキュメンタリー分野に焦点が当てられた。会場では世界各地のドキュメンタリー映画が上映されたほか、オスカー最優秀短編ドキュメンタリー賞を受賞した香港の映画監督ルビー・ヤンさんが映像業界のリーダーたちと「アジアのドキュメンタリー市場」について話し合うセミナーなども催され、ドキュメンタリーについて理解を深めようという動きに注目が集まっていた。

 日本からは、一般財団法人さっぽろ産業振興財団が率いる「Regions of Japan」、日本貿易振興機構(ジェトロ)とユニジャパンの「ジャパン・ブース」の2つのパビリオンを展開。「ジャパン・ブース」に初出展した鹿児島放送の原之園幸太郎さんは、鹿児島で32年ぶりに誕生したウイスキー蒸留所(本坊酒造)の3年間にわたる密着ドキュメンタリーを持ち込んだ。ウイスキーにも注目が高い香港だけでなく、海外の映像関係者もその魅力を評価していたという。

 「Regions of Japan」として4回目の出展を率いたさっぽろ産業振興財団の佐々木浩さんは、「地方発のコンテンツは日本国内では飽和状態。そこで、日本以外のアジア市場に目を向け、世界三大映像見本市である香港フィルマートへの出展をしている」と話す。同ブースで唯一の個人事業主として参加した衣斐明さんは、2年前に脱サラして「IBI's office -doZou4K8K.com-」を立ち上げた。北海道の四季折々のありのままの様子を4K映像で撮影。月2回ペースでロケを行い、編集まで全て一人でこなす。「相手のニーズに合わせてコンテンツ作りが可能。ファーストクラスやホテルのスイートルームで使ってもらえたら」と売り込んだ。

 京都チームから出展した毎日放送(MBS)は、関西を拠点にさまざまな業界で活躍するリーダーたちに焦点を当てたドキュメンタリー番組「ザ・リーダー」を持ち込んだ。中華圏でも圧倒的人気を誇る京セラ創業者「稲盛和夫」さんの放送回を例として紹介し、中国語・英語に翻訳した専用のリーフレットも準備するなどして臨んだという。MBSの猶原祥光さんは「この番組は、業界をけん引するリーダーたちの仕事面だけでなく、行き付けの居酒屋での一コマなど、その人のプライベートな部分にも迫り紹介しているのが魅力。海外の人にもぜひ見てもらいたい」と話した。

 今年で4年連続参加となる立命館大学映像学部は、昨年完成した授業成果映画作品「嵐電界隈(かいわい)、ひと模様」などを出展。学生たちが来場者に声を掛け、商談に持ち込むなど積極的に売り込んでいた姿が見られた。

 同見本市に続いて4月11日~25日、今年で41回目を迎える香港国際映画祭が開催される。

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