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長沙湾の寂れた街市がモール「麗閣商場」に変身 外観はコンテナをモチーフに

マーケットがモールに生まれ変わった内部の様子

マーケットがモールに生まれ変わった内部の様子

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 香港らしいローカル色が強めのショッピングモールなどを運営する「民坊(People’s Place)」が昨年12月12日、長沙湾(Cheung Sha Wan)に新しいショッピングモール「麗閣商場(Lai Kok Shopping Centre)」(12 Tonkin Street, Cheung Sha Wan, Kowloon, Hong Kong TEL 2720 5164)をグランドオープンした。

以前の街市の様子

 民坊は香港内にある29のショッピングモール、街市など、香港ローカル客が日常的に買い物する場所を運営している。沙田(Shatin)にある利安商場(Lee On)、粉嶺(Fanling)の華明商場(Wah Ming)、屯門(Tuen Mun)にある愛定商場(H.A.N.D.S.)など現地住人以外にはあまり知られていないローカル色の強いモールなどを運営しているのが特徴。

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 麗閣商場はMTR長沙湾駅A1出口から徒歩1、2分のところにある。元々、1981年に完成した麗閣邨(Lai Kok Estate)という8つの建物(約3000戸)から成る公営住宅の一角に「麗閣街市(Lai Kok Market)」として開店した。しかし、2005年になると香港ベースの不動産投資信託(REIT)である「領展(Link Real Estate Investment Trust)」が運営する権利を取得すると家賃が上昇し、56店あった店がわずか10店にまで減少。各小売店は厳しい環境下に置かれていた。

 そうした状況の中で民坊が350万香港ドルで領展から権利を取得。2018年3月に管理を始め、1億ドルを投じて大改修を行うことを決断。8カ月間の工期を得て2019年11月に改修が終わった。香港で「老、中、青」と呼ぶ高齢者、中年、青年の3世代の需要を満たし、満足させることをミッションに開発。住民の意見を聞き、それをできるだけ反映させたという。

 外観はフリーポートである香港を連想させる貨物用コンテナを積み上げたような感じに仕上げた。店は10店から30店に増え、入居率は9割に達している。改修前は無かったエアコンも新しく設置したほか、衛生状況も大幅に改善。年配者も少なからず住んでいることから「社福区」として老人ホーム、女性向けの職業訓練機構などの社会福祉関係の企業3社も入居している。

 今後、モスバーガーやペッパーランチといった日系の飲食店が入ることが決まっているほか、Waffle Cornerというワッフルが中心のスイーツの店が入る。このモールの近くで40年近く営業してきた中華料理店「明順海鮮菜館」は、高齢化したオーナーがリタイアすることを元々考えていたが、その家族が入居することを勧めたため翻意して店を続け、客数も増加したという。ほかにも、セブン-イレブンやドラッグストアの屈臣氏(Watsons)、郵便局、香港上海●豐銀行(HSBC)のATMも設置した。

 民防によると、2020年は鴨●洲(Ap Lei Chau)、將軍澳(Tseung Kwan O)、屯門、葵青區(Kwai Tsing District)の4地区にあるモールの改修を終え、オープンさせたい考えだ。事業者の中からは「オープン後は人の流れが3倍になった」という声も聞かれるなど、老朽化など時代に取り残された商場は多くあると見られ、こうした大改修で商場とコミュニティーに活気が戻ることは香港社会によってポジティブなことと評価されている。

 営業時間は9時~22時。

●=さんずいに匯、●=月へんに利