20年の歴史があり、香港で人気あるタイ料理店「THAI BASIL」（Level 1, Pacific Place, Admiralty TEL 2537 4682）が9月16日、パシフィックプレイス内の階上1階に場所を移しグランドオープンした。

大きなカリフラワーでインパクトあるグリーンカレー

　鮮やかで大胆な色使い、控えめながらもスタイリッシュなインテリアデザインは、明るい色の木材を使った装飾や青々とした緑とのコントラストでリラックスさせる空間を作り出した。タイのスパイス、新鮮な食材、酸味と辛味の利いた象徴的な味の組み合わせで、北部タイ料理に焦点を当てた構成で展開する。

　新店舗では、エネルギーや水の節約、二酸化炭素排出量の最小化、生ゴミのリサイクルなど、サステナビリティーを総合的にサポートするためにパシフィックプレイスが展開する「グリーンキッチン」のコンセプトを採り入れ、冷蔵庫・冷凍庫、キッチン換気システム、すすぎ水のリサイクル機能を備えた食器洗浄機を採用するなど、素材やキッチン機器の選択においてサステナビリティーを優先している。

価格設定は以前と同様に抑えながらも、タイ北部のレシピから新しいメニューも考案した。異なる食感を組み合わせたり、メニュー名から想像できなそうなプレゼンテーションで提供したりするなどの工夫を凝らした料理が多い。北タイ料理はタイ料理の中でも一番味付けがマイルドだといい、日本人にも食べやすい料理が多いのが特徴。

　サラダ類は見た目には辛さを感じさせないものの、食べてから10秒くらいするとじわじわとスパイシーさを感じさせるものが多い。「Pomelo Salad」（118香港ドル）は、自家製のポメロナンプラーを使い、ミントなどを加えて味に深みを出す。タイから直送したバナナの花「Grilled Eggplant Salad」（98香港ドル）も見ためは辛さのないシンプルな一皿だが、じっくりと焼き上げたナスと、シャキシャキとした青リンゴのスティックとのコントラストを出し、甘酸っぱいソースを加える。

　ラクサ「Chargrilled Canada Scallop Laksa」（158香港ドル）は、スパイシーなラクサスープを、ココナツミルクの香りでマイルドにした一品。新鮮なカナダ産ホタテ貝柱、半熟卵、厚揚げなどの具をたっぷりと載せた。レッドカレーとグリーンカレーの2種類は「少し驚きを加えた内容に仕上げた」という。レッドカレー「Slow-cooked Canada Beef Short Rib with Red Curry」（288香港ドル）は、じっくり煮込み柔らかくなったカナダ産ビーフのショートリブをコクや甘みがあるレッドカレーをソースのようにして提供する。グリーンカレー「Roasted Whole Cauliflower in Green Curry」（138香港ドル）は、2.5時間かけてじっくりと焼き上げたカリフラワーを、スモーキーなカレー風味に仕上げた。タイ北部産のグリーンカレーソースをかけたカリフラワーは肉を使わないビーガンメニューでもある。

　デザート類にも力を入れる。「Caramelized Pineapple」（88香港ドル）は、キャラメルでコーティングしたパイナップルを丁寧に焼き上げ、メレンゲ、クリーミーなキャラメルハニカムアイスクリーム、クリスピーなグラノーラを添えた。「Coconut Trio」（88香港ドル）は、タイのココナツミルクを使ったパンナコッタにココナツウオータープディングをのせて、ココナツを丸ごと使っている。冷たいココナツソルベとローストしたココナツスライスが、ココナツのおいしさを4層で表現する。ハイライトは、カヤのエッグタルト 「Homemade Kaya Egg Tart with Thai Tea Ice Cream」（72香港ドル）で、ミルクが濃厚なタイティーのアイスクリームを添えている。甘くてクリーミーなカヤのカスタードを入れたパイ状のエッグタルトだ。

　ドリンクでも南国気分を味わえるようにと個性的なドリンク類も用意した。抹茶のようなグリーン色の「Dark Green (virgin) 」(45香港ドル)は、キャンディーのような味がする酸っぱくて苦いノンアルコールドリンクで、タイの緑茶のハーブにライムが、ほのかに香り、甘い苦味のある個性的なドリンク。ジンジャーエール(アルコール65香港ドル、普通45香港ドル)にはショウガの塊をそのまま入れ、ガランガル、チリ、タイ産ライムを使って仕上げている。

　営業時間は11時30分～22時30分。