食べる

香港のインドネシア料理「IR1968」、中環で再び 55年の歴史、さらに進化も

ヒルサイドエスカレーター沿いの坂道にオープンしたインドネシア料理「IR1968」

ヒルサイドエスカレーター沿いの坂道にオープンしたインドネシア料理「IR1968」

  • 24

  •  

 香港で老舗のインドネシア料理「IR1968」(37 Cochrane Street, Central, Hong Kong, TEL 2577 9981)が8月17日、中環の閣麟街にグランドオープンした。

新鮮な魚介としっかりと煮込んだスープに日本の卵も使ったラクサ

[広告]

 同店は1968年、コーズウェイベイ(銅鑼湾)の恩平道に香港初のインドネシア料理店として創業。以来、銅鑼湾で愛され続けてきた。その後、同地区の再開発などもあり、禮頓道に移転。オーナーのハドソン(Hudson Chang)さんの両親が経営していたが、2003年に両親が引退してからはハドソンさんら兄弟3人で後を継いで経営してきた。2代目は店をリフォームし、もう一度同ブランドを繁盛させ、その後、香港各エリアに店を開いた。今年の初めまで中環の別の場所にあったが、50年以上にわたり、代々受け継がれてきたレシピを守りながら、本場インドネシアの味を届けてきた。

 店内は、創業当時の面影を感じてもらえるよう、インドネシアの伝統家屋をイメージしたアンティーク風の内装に仕上げた。グランドフロアと地下を合わせて約40席を用意する。

 「長年のインドネシア料理のレシピを大切にしながらも、日々追求し、味も進化させている」点が同店の特徴だという。例えば、サテーも通常であればすぐに提供できるように単に焼くだけだが、同店では炭なども使ってじっくりと焼き上げる。コーンフリッターも缶詰などは使わずにコーンを同店でむいて、実を外して揚げる。「20年以上調理を担当するシェフと日々、少しでもおいしくなるようにやってきた。レストランビジネスはハードで利益的に大きなものを得たとは言えないが、とにかく店をやってきたことで本当に友達が増えた。これがこの商売の最大の恵み」とハドソンさん。

 ディナーは2人以上でオーダーできるセットメニューも用意した。フルーツサラダ「Rujak petis」からスタートするが、これはエビペーストのスイートソースを添えたもの。次にサティが続き、ブロッコリーの炒め物「Brokoli Bayi Goreng」を提供する。メインは、牛すね肉を煮込んだ「Rendang」は、ココナツミルクと香辛料で長時間煮込んだ肉料理で、インドネシア風チキン、フィッシュカレー「Kari Ikan」などを提供する。このカレーに使う魚はその日に取れたもの。「カレーは毎日新しいもので作る」という。ご飯は通常の白米「Nasi Putih」、ターメリック(ウコン)やココナツミルクで炊いた黄色の「Nasi Kuning」、ガーリックライス「Nasi Bawang」など希望に応える。デザートは、バームクーヘンのようなレイヤーになったインドネシア伝統のケーキ「Kue Lapis」を用意した。

 ランチとディナーは「かける時間や楽しみ方も違う」という考えから、異なるメニューを提供する。ランチのセットメニューは11時~15時の提供だが、インドネシア風チャーハン「SpecialNasi Goreng」 (168香港ドル)には日本の卵も使い、少しスパイシーに仕上げた。ラクサ「SpecialLaksa Seafood Coconut soup」(158香港ドル)は、レモングラス、ガランガル、ターメリック、唐辛子などのスパイスをブレンドし、クリーミーなココナツミルクでたっぷりのエピを煮込んだ、「複雑で香り高いスープ」が特徴。エビやイカなど市場で仕入れた新鮮な魚介類を使い、モチモチのラーメンと混ぜ合わせ、コリアンダー、モヤシ、スライスした赤唐辛子、温泉卵、インドネシア産の新鮮なビーフボールなど、さまざまなトッピングを添えている。

 16時~19時30分はハッピーアワーの時間とした。インドネシアの揚げ煎餅「Kerupuk」(48香港ドル)をはじめ、コーンを揚げた「Perkedel Jagung」(68香港ドル)などインドネシア本場のストリートフードも用意。チキンウイング「Sayap Ayam」(78香港ドル)や春巻き「Lumpia Udang」(88香港ドル)などもメニューに並べる。パーティーやイベント需要などにも応えるため、ケータリングサービスも行う。

 営業時間は11時30分~23時。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース