潮州料理と日本料理をかけ合わせた香港初のコンセプトダイニング「CHIU San」(G/F, Kin Liong Mansion, 16 North Street, Kennedy Town TEL 6978 6780)が8月19日、香港・ケネディタウン(堅尼地城)駅近くの路面にグランドオープンした。
潮州料理とは、中国本土広東省東部の潮州・汕頭を中心に発展した郷土料理で、海産乾物や魚醤を多く使い、「素材のうま味を生かしたあっさりした味付け」が特徴。海鮮料理や煮込み料理が豊富で、日本人にもなじみやすいとされている。
伝統的な潮州料理の3代目後継者が立ち上げた同ブランドは、「若い世代に向けてスタイリッシュかつフォトジェニックな食体験の提供」を目指し、潮州料理を日本の定食スタイルにして提供する。ストリートカルチャーを意識し、店舗外壁には大型グラフィティーを描き、ケネディタウンの新たなフォトスポット要素も備えた。併せて、Tシャツやトートバッグ、キャップ、ピンバッジなどのオリジナルグッズも展開。食とファッションを融合させ、若者文化に寄り添うブランドイメージを打ち出す。
店内は2人がけのテーブルとカウンターに向かう1人用の席などを合わせて21席を備え、キッチンとフロアの間にはオレンジ色や赤のロゴ入りの布をのれん風に使う。
潮州料理は「海鮮」を欠かせない要素とし、日本料理は「うまみ」を探求する料理。両者の共通点を生かし、「日本式定食をベースに、食材選びから調理法、ソースの組み合わせまでを緻密に設計した」という。「潮州料理らしさ」を調味料や食べ方で表現し、特に「沙茶醤(サーチャージャン)」「白醋(潮州式の米酢)」といった独特のタレ・酢を添えるスタイルを意識して、素材の味を生かす。
メニューは毎日数量限定の4種類の定食が中心。いずれも「パフォーマンス付きの視覚的なインパクトと香り、味わいの多層性を兼ね備えた」という。盆の上に定食として皿を並べ、米は日本米を提供する。
潮州の沙茶醤と日本の照り焼きソースを合わせた特製ソースをかけたアメリカ牛「Stone-Grilled Beef Short Rib with Chiu Chow Satay Sauce」(158香港ドル)は、石焼きで目の前でソースをかけて煙を立たせる演出を行う。
岐阜の郷土料理に着想を得たという「Salt Grilled Yellow Croaker with Homemade Miso Sauce」(138香港ドル)は、黄花魚を朴葉(ほおば)の上で炙(あぶ)り焼きにする。発酵調味料「プーニン豆醤」をベースにした味噌ソースと自家製かんきつポン酢で魚のうまみ旨味を引き立てた。
潮州伝統の白酢とニンニクでさっぱりと仕上げ、付け合わせにはれんこんチップや野菜の素揚げを添えたスペイン産豚バラ肉のグリル「Grilled Spanish Pork Belly with Chiu Chow White Vinegar」(118香港ドル)や、12時間以上漬け込んだ鶏もも肉をグリルし、黒にんにく油で仕上げ、スモークドームを外す瞬間に香りを立たせる「Soy-Glazed Fish Sauce Chicken Thigh with Kuro-mayu」(138香港ドル)も用意する。
定食には、みそ汁、サラダ、漬物3種、卵焼き、白飯、和菓子デザートが付くが、漬物も日本のたくあんやキュウリの漬物と菜脯(ツァイポー)と呼ぶ大根を塩漬けなど、潮州の漬物を交互に並べる。卵焼きにも菜脯を挟んで、「食感の違いも楽しんでもらう」新しいメニューとした。
潮州料理の名物「石榴(ざくろ)鶏」を再構築した「CHIU San石榴型鶏団子」(28香港ドル)は卵白クレープで鶏肉やハム、シイタケを包み、黄金色に揚げてイクラを添える。潮州の水晶餃子を抹茶餡で仕立てた和の要素を加えたスイーツ(18香港ドル)なども提供する。
営業時間は、ランチ=11時30分~15時30分、ディナー=17時30分~21時30 分。